嗜好。

ゴンザレスさん主催「isn't anything5」に行ってきた。
不完全密室殺人副社長がサポートしているmarblefish.を楽しみに行ったのだけど、仕事を終えて会場についた頃には残り一曲、どうにか間に合ったものの残念なタイミングとなってしまった。音が地に足ついていた。初めて観た頃より音が前に出て来る力が強くなっていた。

色々堪能し、帰宅後納豆ご飯を茶碗2杯平らげ、一服しながらボーッとしていると気付いた事がある。
それは、最近自分がどんどん日本人らしくなっているといい事。納豆ご飯を毎日欠かさず食べているし、暖かくなってきたら坊主頭にも挑戦したい。冷静に考えりゃそれだけで日本人嗜好と断言していいものかわかりゃせんが、何故かそう思った。

良い事だね。
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私信ですが。

2月12日(月曜,祝日)に一宮のStyleというライブハウスで行われる「反魂会」 というイベントに出演します。

2/12 一宮Style「反魂会」
Open 18:00 Start 18:30
入場料 1500円(D別)

出演
a silent spring(東京)
film.(金沢)
Gangliphone(豊橋)
橡川キョウ(舞踏)
G-FIGHTER

とは言っても不完全密室殺人での出演ではなく、G-FIGHTERに参加致します。

G-FIGHTER、以前在籍していたバンドで対バンして以来心惹かれていたバンド。存在自体はもっと前から知っていたし、メンバーの方々ともお話した事はあったのだけどライブを観た瞬間の衝撃と言ったらなかった。
それはもう圧倒的な音の力。圧力でもなく重圧でもなく混沌とした空間でもなくまたそれらのどれでもあるものがステージ上から発散されており、突然の事に興奮してしまった僕は顔が綻ぶのを抑えきれなかった。
で、それ以来タイミングがあえばライブを観に行っていたのだけど、神田佑介氏(不完全密室殺人)と僕とG-FIGHTERのmAtsuiさんの3人でスタジオに入ってセッションしたのがきっかけか、ある日突然G-FIGHTERのスタジオに呼ばれたのだった。
で、気づけばライブに参加する事に。

今まで俗に言う「サポート」でのライブがなかったので今回の経験はまさしく人生初体験。しかも音源を愛聴しているバンドでの演奏。感情的になるよなぁ。
G-FIGHTERは即興性が少なからずあるバンドなので興奮、緊張も7割増しだ。絵の具をぶちまけるような演奏ができたら、と思う。

以上私信、終わり。

で、不完全密室殺人。
3月の中頃にライブが決定していて、現在そのライブに向けて準備中である。去年一年バンドとして活動し、半年間ライブ活動を行った上で得た反省を力にせんとしている。勿論新曲も。
定期的にやってきたライブを3ヶ月も行っていないと、確実に欲求不満になる。3月のライブはそれを爆発させようと思っている。今からその日を楽しみに今夜も個人練習。

「HALO」

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先日のサバイバルゲームからの流れではないけれど、僕はFPS(ファーストパーソン・シューティングゲームの略。一人称視点で進んでいくシューティングゲーム)が好きだ。原体験であるNINTENDO64の名作「007 ゴールデン・アイ」に続き「007 ナイトファイア」やら「メダル・オブ・オナー」やら色々とそれなりに楽しんできた。
だけれど昨夜、思わぬ所で自分にとって最高のFPSを発見した。今回はそんなお話。

昨夜の僕は暇をしていた。不完全のリハは夜中からなのだけど仕事は毎週金曜の定刻通りにあがり、時間は何と4時間以上余っていた。
あまりに暇だったので僕は、このブログにも何度も登場しているのでご記憶の方も多いであろう、ドラマーでありレコーディング・アンジニアでもあるアツシ・ハセガワ氏宅を訪ねた。07年になってもう半月以上経つのに未だに新年の挨拶に顔を出せずにいたので、その胸のつかえをとってしまおうというわけだった。

で、氏は在宅で、どうやら時間もあるようだったので僕は早速乗り込んだわけである。一通り近況報告等をした後、話題は氏の影響で始めたFPSゲーム「メダル・オブ・オナー」へと至った。すると氏が「是非やってもらいたいゲームがある」と起動させたのが今回の主題、「HALO」である。
どうやら日本版ではないらしく、字幕は出ず、作中で表示されるキー操作の説明も全て英語。氏のアドバイスに沿ってゲームを開始する。
舞台は宇宙。海兵隊の宇宙船、軍艦内部から物語は始まる。
どうやら主人公はそれなりの間眠りについていた強化人間のような存在らしい。久しぶりに目覚めた主人公はエンジニアのサポートを受けながら体を慣らせていく(この過程でプレイヤーは操作方法を覚える事となる)。
すると突然敵エイリアンの強襲。主人公は司令官が待つドックへと急ぐ事になる。

ざっとこんな感じの始まりなのだがこのゲーム、とにかく射撃の感覚が物凄く気持ちが良い。主人公が所属する海兵隊がデフォルトで装備しているアサルトライフル然とした武器のマズルフラッシュとバックファイアー音が、第二次世界大戦時代の火器に慣れていた自分にはひどく刺激的なものとして感じられる。それを連射しながらひたすらに敵エイリアンを駆逐していくのだが、もうどれだけ撃っても撃ち足りないくらい気持ちが良いのだ。敵エイリアンを倒すと彼らが使っていた光線銃もどきを拾って使用する事ができる。それもそれなりには強力なのだけれどもそんな存在がかすむ程の魅力。敵軍勢に向けて乱射すれば死屍累々たる死体の山を作り上げる事が(余談だがこのゲーム、どれだけ時間が経過しても死体は消えない。悲惨な光景がそこかしこに繰り広げられる事になる。まあエイリアン相手だから罪悪感なんて微塵も感じないんだけど)出来る。
ついつい撃ち過ぎてアツシ・ハセガワ氏に「over killフナハシ」の称号を頂いてしまった。

そしてこのゲームの魅力その2。
物語の背景となる世界観がしっかりと作りこまれている。非常に感情移入がしやすい。不時着した惑星の「空」を見上げると思わず溜息をついてしまうような美しい「空」がそこに存在しているし、敵エイリアンよりも脅威なのは「自然」たる滝なのだ。友軍のジープに乗って地下遺跡然とした建物内部をグリグリ走り回るのも一興。

とまあ久々に大ヒットだったゲーム「HALO」、気がつけばアツシ・ハセガワ氏のご好意に甘えて2時間程堪能してしまった次第。今日の画像はそんな「HALO」からの一幕。
「over kill」たる主人公が愛用重火器を手に敵母船の中を進んでいく図。

屋外で遊んだ思い出。

昨夜の話、帰宅後にベットに横になってボーッとしていたら何故か唐突に中学生時代の事を思い出した。とは言っても学校の記憶ではない。当時僕が何をして遊んでいたかを思い出したのだった。

多感な中学生時代、『るろうに剣心』の流れから司馬遼太郎の『燃えよ剣』を愛読していた僕は新撰組にハマッていた。京都の治安維持のために剣を奮う新撰組。集団先方や不意打ち、奇襲は上等。全ては治安維持のため。大きな志のためには人からそしられようと構いやしない。全ては自分の誇りのために。
そんな彼らの生き様に僕は酷く感銘を受けたのだった。

クラスメートの山田くんと僕は2人だけの新撰組ブームを堪能するため、自分の中に湧き起こってきた衝動を形にする事を始めた。僕と彼は木刀や長い棒を持ち出して、人気のない公園で斬りあう真似事を始めたのだった。それは剣道や鍛錬などとは程遠い、『チャンバラごっこ』に近い属性のものだったのだろうけれど僕達は興奮して週に何度もその遊びを繰り返した。いずれは剣の道で身をたてる。
平成の時代に14歳の少年が真剣にそんな事を考えていたのだから怖い。
今でも山田くんの「秘剣・バツの字斬り」の骨身に染みる痛みを覚えている。

深夜に疲れた体を支配した緩慢な眠気は、そのまま高校時代へ僕の思索を誘った。

高校時代、木刀で斬りあっていた中学生時代と違って僕はもう少し大人な遊びにハマッていた。ガスガン、電動ガン、その他の「エアーガン」と大別されるであろう大人の玩具を持ち出して公園で撃ち合う。俗にいう「サバイバルゲーム」という奴である。
電動ガンの心地よい振動は僕に興奮をもたらし、充実感を与えた。
友人数名の規模で深夜の公園を縦横無尽に駆け巡り、幾度となく撃ち合った。
18歳未満だった僕達が扱うには過ぎた代物も当然のように含まれていたのだけど、そこはまあお気になさらず。

だけれどついにある日、事故が起きた。
その夜も僕達は深夜の公園でサバイバルゲームに興じていた。僕の家にあった名が者は均等に分け与えられ、僕の手元にはスコープ付のH&K MP5が握られていた。
しんしんと静まる夜の空気の中、僕は同じチームの相棒と公園の中、敵陣のメンバーを探して歩き回っていた。
すると15メートル程前方に両手を掲げた人影が。その日初めて参戦する事になったSくんだった。彼は照れくさそうに「弾切れだよ」と言っていたのだが、すでに臨戦状態になっていた自分は抑えきれず、僕は相棒に向かって「殺せェェェーッ!!」と絶叫し、そのまま駆け出した。
ゲームの中断を期待して僕に歩み寄ってきたSくんは突然の展開に驚き「弾切れだって!」と絶叫しながらも僕達から逃げ出した。
すでに完全に我を失い、標的を見つけた興奮と絶頂の渦中にいた僕達にその言葉が届くわけもなく、僕達は一心不乱に逃げるSくんの背中に哄笑しながらBB弾をあびせ続けた。
Sくんは厚いダウンジャケットを着ていたのでさしたるダメージはなかっただろうけども、彼は幾ばくかの恐怖を感じたのではないだろうか。それもそのはず、僕達は「ゲーム」である事を前提としてこの危険な遊戯に身を投じていたので。
まさか中断を求めた相手がそれを無視して襲い掛かってくるとは思ってもみなかっただろう。僕達は僕達で「ゲーム」という前提があったからこそルール破りの凶暴性を発揮できたのではあるのだけども。

茂みに駆け込んでいったSくんを追って、植え込みの中へ飛び込む友人。数歩遅れて僕も後を追う。心臓の鼓動が打ち鳴らされる早鐘のようになっている。茂みを抜けた僕が見たのは、地面にひれ伏すSくんだった。
茂みを抜けたそこは駐車場。Sくんはポールとポールの間に渡してある鎖に足をとられて顔面からコンクリートの地面にダイヴしたのだった。
勝利を確信した僕は相棒をその場に残し、敵陣の残党狩りに向かったのだが、そんな意気揚々とした僕に対しSくんの戦歴は悲惨なものだった。彼の顔面の骨は一部折れており、入院と骨折を必要としたばかりか、彼はその年のクリスマスを病院のベッドの上で過ごす事になってしまったのだった。

それ以来、僕は大掛かりなサバイバルゲームはやっていない。

今日の画像は飲み屋における神田くんと各務くん。

昨夜は夜遅く皆で呑みに出かけた。
和民というチェーン店系列の居酒屋なのだが、料理が旨い。存分に飲み食いしてしまった。

神田くんと各務くん

Pixiesのツアームービーが地元にある今池シネマテークという映画館で上映される。
今からひたすらに楽しみだ。
シネマテーク自体行った事がないのだけど、いい映画館だと聞いている。今池という街は面白いし、愛しているのだけどもまだまだ知らない事ばかりだなぁ。少なくとも大丸辺りしか『これぞ今池!』という存在に触れていない気がする。

血に飢えた肉屋さん

最近、自分のベース演奏の狙い所がどうにもとっちらかってきた気がして仕方がないのでまとまるような練習を深夜した。目が覚める思いである。

bloodthirsty butchersを聴いた。「未完成」というアルバム。田渕ひさ子加入以前の音源である。
何の気なしに聴いてみたのだけどこれがまた良い。NHKで放送していた「真夜中の王国」でライブ映像を以前観た際には特に何も感じなかったばかりかボーカル氏の歌声に苦手意識すら抱きかけたので本当に意外。バンドメンバーが確かライブを観た事があるはずなのでちょっと色々訊いてみようかとも思う。

聴いて「ビビッ」と来て思わず身を乗り出してしまう。こういう音楽との出会いは非常に前向きにしてくれますね。気になるベースラインがあったのでコピーしてみようかなあ。

で、今日も今日とてローパス・フィルターを触ってみる。このペダルの入力レベルを調節するDRIVE回路はバイパス時にも生きていて、つまりここで歪んだ音を作ると常に歪んでしまうという代物。だけども何となく嫌味がない。良いペダルで満足。
研究を続けようと思います。

あ、リンクにインターネットを介して知り合う事が出来たエフェクター大好き眼鏡ベーシスト氏のblogを追加。遠方故に直接お会いした事はないのだけど、真摯かつ細やかな機材レビューは読む価値大いに有り。
その筋がお好きな方は是非読んでみてください。

moogerfooger LOWPASS FILTER

d7eddadd.JPG実最近、新兵器を導入した。シンセサイザーを開発したmoog博士の技術が込められたmoogerfoogerのローパス・フィルター。

その名の通り低域(ロー)を通過(パス)させるフィルターである。CUTOFFツマミで設定した周波数以上の音をバッサリカットする。で、それにエンベローブ・フォロワーでタッチワウ効果を得られるというものである。

完全アナログらしく、各界で絶賛されている。
興味はあったのだけど安いものではないので気軽に購入というわけにもいかなかった(実際真面目に価格を調べてみると思っていた以上に高くはなかったのだけど)。
だけどもある人が実際に使っている音を聴き、その音の太さ、存在感に唸ってしまった。フィルター系には興味がなかった僕にさえもその音は魅力的だった。
たまにあるのだ。そのペダルの魅力にとり憑かれたようになってしまう瞬間が。
というわけで新年早々に購入。

事前に色々と調べてはいたものの、フィルター系のペダルに真面目に取り組んでこなかった事もあってかかなり苦戦した。BLENDツマミを安易に振り切ってみたり、カットする周波数を色々設定してみたりするのしたのだけれどもようやく少しだけコツが掴めた気がする。

試行錯誤の末にあのくぐもったフィルターがかった音が出た瞬間は軽く感動してしまった。なるほど、こりゃ重宝されるわけだ。
想像力を刺激し、ついつい踏みたくなる。安易にボードには組み込めない。使うタイミングを選ばなければただのひけらかし。それをするには、そんな扱いをするにはこいつは勿体ない。

面白いのがRESONANCEツマミを一定以上に設定すると自己発振するという事。飛び道具なようでいて効果的に使えば唯一無比な音が出せるだろう。

末永く付き合っていけそうなペダルである。

僕は完全視覚型。

慢性的に金欠気味で(たまにお金はあれど結局も抜けの空に)、仕事が夜にまたがってしまう僕は結果的にライブハウス不精になってしまう。折角お誘いやライブ告知を頂いてもなかなか行ける機会が少なく残念な思いをする事がほとんどだ。

そんな僕でも仕事を早めに切り上げて観に行きたくなるバンド、イベントというものは確実に存在する。それらの共通項という奴を考えてみたのだけれど、バンドにしろイベントにしろ何にせよ「唯一感」が非常に大事だという結論に至った。
そのバンドでしか聴けない曲は勿論、そのバンドでしか味わえない空気、雰囲気も勿論重要だと思うし、そういったものが一体となって魅力を放つ時僕はライブハウスに向かうのだ。で、今回はそういう話が主題ではない。本題はこれからだ。

前述のようなバンド、人間から昨夜僕は2つの刺激を受けた。
不完全密室殺人は今、Qucumbersのドラマーであり不完全初のライブでキーボードとコーラスでサポートしてくれたほそちんさんとの共同作業に取り掛かろうとしている。
ミニアルバムを作った際もアドバイスを貰えたし、サポートして貰っている時も結局共同作業となったのだけれど、今回は12月に一度だけ披露した我々の新し目の曲を練る作業に参加して貰おうという試み。ほそちんさんのプロデューサー、アレンジャーとしてのスキルには我々、全面的な信頼を寄せるものであるからしてこれが面白くないわけがないのだ。

で、昨夜Qucumbersのライブを終えたほそちんさんが我が家にやって来た。資料に目を通して貰いつつ、色々と話をした。
何でも人間は「視覚でものを捉える人間」「聴覚でものを捉える人間」「触覚でものを捉える人間」の3パターンに大別できるそうで、区別するには云々。
なるほどと思わず手を打ってしまうような話だった。

もう一つの刺激。
非常に嬉しい話だし興奮もしているのだけれども、随分と書き過ぎてしまったので、それはまあ事後報告で。今週中には書けるかと思います。

ソーセージが食べたい。

日記として書くのはこれが今年初かな?
ならば、今更ながら明けましておめでとうございます。今年も宜しくお願いします。

今冬は慢性的に体調が悪かったなぁ。幾度か熱を出したし、喉に至っては慢性的に変な具合だった。以前だったらへっちゃらなくらいの寒さも今年は風邪をひいた。体が弱くなっているのだろうか。毎年毎年少しずつ大食らいなっているというのに。
いけないなあ、もっと食べなくちゃあなあ。

ここ数日間は後輩から借りた本ばかり読んでいます。
昨夜も気づけば4時半になっていて、驚きました。

#1

「…え~ミステリーの中の探偵は
犯人はこの中にいる!
とよく言いますが、当たり前です。ミステリーがミステリーたらんとするにはそれが必然だからです。つまりこの国の名探偵達は当たり前の事を言ってきたわけで。
願わくば、未来の推理小説作家の皆さん、新しい決め台詞を考えてみてください」

深夜一時をまわったロイヤルホストに四人の若者がいた。それ自体はさして珍しい事でもないが、問題は彼らの会話の内容である。もしウェイターが通りすがりに彼らの会話を耳にしたならば、彼は驚きを隠せなかっただろう。
「…だからさ、今回の音源は曲順的に密室殺人をテーマにしたいんだよ」
ずれた眼鏡を直しながら船橋が言う。
「僕らの最初の音源になるわけだし、ここで僕らのベーシックを見せておきたいんだよね」
それに対してジャージ姿の若者、矢麻田が答えた。
「俺的には敢えてそこをずらしていくのも面白いと思うんだけどね。バンド名がバンド名だけに密室殺人を扱うのは安易じゃねぇかな」
ちなみに彼も眼鏡である。
「う~ん、どちらも一理あるな」
煙草を灰皿に押しつけながらそう言ったのは彼らの中で一際体格のいい眼鏡青年、噛田が言った。
「なるほど。かっくんはどう思うね?」
矢麻田に問われ、これまた眼鏡の青年、掻務が答えた。
「う~ん、う~ん、俺は外した方が面白いかなと思う。何となくだけどね」
「なるほど。では今回は敢えてテーマをずらしていこう」船橋はそう言いながらノートに決定事項を記入して言った。
どうやら彼ら四人の眼鏡青年は、煙草をどんどん灰にしながら何かを話し合っているようだった。話の内容から察するに彼らは音源のテーマについて話しているらしい。
「では次の議題にうつろう。アレ、どう進める?」
バンド名、完全密室殺人。彼らが今回の事件の関係者である。

話は3ヵ月後に進む。
某県某市にある湖沿いのレコーディングスタジオ。ここが今回の事件の舞台となる。
その夜は完全密室殺人の一枚目のレコーディングが完全に終了した事を祝して、内々で打ち上げが行われていた。
彼らはスタジオが常設してあるコテージのリビングに集まっていた。
「いや、本当にお世話になりました」
噛田はそう言うと頭を下げた。ビールを飲んだ噛田の顔はほんのり赤い。一見酒豪に見られがちな噛田だが、意外にも顔に出やすい体質なのであった。
「いやぁ、いい感じに進んで良かったよ」
そう言うのは小笠原である。このスタジオ兼宿泊施設を完全密室殺人に紹介したのもレコーディングエンジニアを仕事とする彼であり、彼らの音源のレコーディングを担当したのも彼であった。
「お陰様でいい感じにしあがたっすよ。ま、ま、一杯どうぞ!」
そう言い矢麻田がビールを注ぐ。
皆が皆、一仕事終えた充実感からか開放的な気分になっていた。場の空気も明るく、皆大いに飲み、大いに食い、そして大いに語った。
「いいライブして、沢山売りますから!目標まずは百枚!」
船橋が完全に酩酊した顔でぶちあげる。
「少な過ぎではないかね!千枚いこう!」
矢麻田がビールを一息に煽って切り返す。
「ややや、一万枚だろ!」
噛田がそれにのっかる。
「お!かっくんも何か言ってやれ!」
「え、え、じゃあじゃあ、二万枚!」
夜は、まだまだこれからだった。

船橋が寝てしまい、噛田の「じゃあ今夜はこの辺で」と言う一言で終わった打ち上げ。小笠原は一人一室あてがわれたコテージの部屋に戻り、持ち込んだCDプレイヤーで音源の最終確認をしていた。
「…ん、こりゃ駄目だ」
仕上げにかかる前に致命的なミスを発見した彼は、明日の朝一でそこを訂正しようと携帯電話を手にとった。

そろそろ寝ようか。小笠原は部屋の照明を落とすとベッドに向かった。
その時、扉がノックされた。メンバーだろう。彼らにも仮音源を渡しておいたのできっと自分と同じ点に気付いたに違いない。彼は緩やかな酔いが支配するまま、扉に向かった。
扉を開けると、廊下に明かりがついているからだろう、丁度真っ暗な部屋の中からは逆行となり、誰がそこに立っているかは判然としなかった。「どしたい」
相手に問う小笠原。だが相手がその問いに答える事はなかった。その人物は答えるかわりに小笠原の背後に素早く回り、首に紐状のものをくくりつけた。
何が何だかわからないまま、小笠原の意識は遠のいた。

翌朝、なかなか起き出してこない小笠原の部屋を掻務が訪れた。いくら扉を叩いても返事がない上に扉は内側から鍵がかけられているらしく、支配人に話が通され、メンバー一同と支配人は合鍵を使って部屋に踏み込む事になった。そこで彼らは首を吊っている小笠原を発見する事となった。

自己紹介

舟橋孝裕

Author:舟橋孝裕
愛知県在住、ベースギター奏者です。
・JONNY
・パイプカツトマミヰズ
・犬栓耳畜生
・白線の内側
 やサポートでベースを弾きます。

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