08年最後のエントリー

b1b495d0.JPG08年もあと20時間をきった。

今年は色々あったからかひどく長く感じたなあ…。アルバム製作に自主企画、幾度かの遠征。様々な出来事が糧になっている。

今日は今年のライブ納め、怒涛の3ステージ。気合いを入れるためすね毛を剃った。摩擦を減らして挑みます。

皆さん、08年はお世話になりました。来年も舟橋をどうぞ宜しく。
それでは良いお年を!
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久しぶりの休日

29690ae3.JPG何の予定もなく、寝て疲れを癒やすタイミングでもない休日というのを過ごしたのはいつの事だったか。それくらい久しぶりのそんな日がやってきた。

というわけで自転車を兄から借りてサイクリングがてら友人宅へ。
テレビを観たりしてくつろいだ後、うどん、そば、ラーメンを買い込んで麺パーティー。自作のラーメンに挑戦したりした。

今日の画像は自作ラーメン。こよなく愛する大丸ラーメンを意識したものの、味はまだまだ遠い。しかしてその場にあったありものを使った割にはニュアンスは随分と近いものができたように感じた。

味は悪くない。が、喉が乾くラーメンではあった。

引かぬ媚びぬ省みぬ

b05454a2.JPG 28日の桃吐マキルさんと出演する予定だったアイドルイベントですが、都合により我々出演しなくなりました。
バンド『ブチギレ狂犬病』自体は今後も続いていく様子。日の目を見る日はいつの日か!
面白いバンドですし、一曲仕上がった曲もメタライズされたアイドルソングといった感じで楽しいのでライブをする際は皆さん是非に。

というわけで年内の予定は大晦日3本勝負のみとなりました。weezerのコピーバンドをJONNYのメンバーで今池ハックフィンに、JONNYと不完全密室殺人で新栄クラブロックンロールに出演します。


学生時代に先輩や後輩がやっていたweezerのコピーバンドをweezerをガッツリ聴いた時期がない僕がやるとは自分自身想像もしませんでしたが実に楽しみです。
ハックフィンは自宅から徒歩5分弱の割に出演した事がないのでドキドキします。ああ、そういえばアップセットもそうか。

不完全密室殺人、レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンかレッド・ツェッペリンをやろうと提案したのですが、何となく興がのらずに却下。演劇もコピーも多分やりません。恐らく酔っ払っているのですが精一杯頑張ります。

ベースの練習をしていたら自分のベースの音のギラつきにビックリしました。こりゃ確かに耳痛くなるわ。だが、引かぬ媚びぬ省みぬ。

メリークリスマス

飯島愛が亡くなったという緊急ニュースが流れた。飯島愛について詳しくは知らないけれど、色々と積み上げて一時代に生きた方が亡くなるのは残念極まりない。ご冥福をお祈りします。

クリスマスイヴのその日、僕はひたすらに自転車をこいでいた。バンドメンバーと親しい友人でささやかな、だけれども楽しいパーティーを催したのである。ピザにケンタッキーのチキンにシャンメリー。僕にしてみれば十分なご馳走だ。

ライブ翌日には当たり前のように体のあちこちが痛む。首筋に腰、うでの付け根に脹ら脛。今日に限っては足のつけ根も痛む。ライブに集中すると後先考えずに普段使わない筋肉を使ってしまう。故にこの筋肉痛は当然の結果である。

時には痣や擦り傷をこしらえて、一体何がしたいのかというとただただ音楽を、物凄い熱量の音楽がやりたいだけなのだ。暴れるのが目的ではない。自分を興奮させられる音楽を一生懸命やりたいだけなのだ。自分が興奮しないものが人を興奮させられるとは思わない。ただただ一生懸命やるしかないのである。

一生懸命やる事で実現できた事もある。具体的かつ明確な事例をあげると会いたい人間に会えるようになってきたのだ。
一人間として興味深い存在が、パソコンのディスプレイやフリーペーパー越しの存在ではなくなってきた。

ぐしゃ人間はそもそもインターネット上でその名を見、興味が湧いてネット通販で音源を購入してからというもの単純にファンであった。
初の東京遠征でネットにアップロードされている僕達の音楽を聴いたメンバー嬢がライブに来てくれ、話す事ができた時は嬉しかったが、自主企画に出演して頂けた時もたまらなく嬉しかった。
そして初めてぐしゃ人間の音楽を聴いて衝撃を受けてから一年と少し、ぐしゃ人間企画に出演できたのは感無量である。
いつか共演したい、という刺激が現実のものとなっていく様は僕を興奮させるものである。

だから今後も様々な刺激を糧に、やっていくのだ。

ぐしゃ人間企画『wow war tonight』

6524d859.JPG写真の俺、何でかくもおっさんくさい顔。

ぐしゃ人間企画@池袋手刀DOMEに出演して参りました。開場と同時に続々と入ってくるお客さん。ラーメン二郎に行って戻ったら行列が出来ててビックリしたのですが、それ以上に入ってくるお客さんは凄い人数。
沢山の人の前でやれて嬉しかったです。

さて本日裏さん(心の師匠であります。フレーズから佇まいまで圧倒的に素晴らしい!)がぐしゃ人間ラストという事でしたが、名古屋で拝見した時より凄みのあるライブをされていて、ああつくづく今日出演出来て良かったなあと痛感した。
あうさんも亀さんもたまらんバイブスを出してらっしゃった。音が厚い厚い。ごっちんこ先生のドラミングは初体験だったのですが、圧巻ですな。裏さんとのリズム隊は緩急つきながらも、かなりの重量感。

で、僕らのライブは山田君が実はなんとかなんとかめまい症を患いながらでした(前日に発症した様子)が、むしろ普段より暴れ回る山田君に彼の真髄を見た。
アルバムも沢山のお客さんにお買い上げ頂きまして、本当に本当に嬉しかったです。年内最後の東京遠征が清々しい気持ちで終えられて清々しい気持ちで打ち上がりました。

裏さん、ぐしゃ人間様、そして共演者の皆様、08年に東京で出会った沢山の方々に感謝しつつ年内最後の東名高速に。
寒さやサービスエリアの中途半端なあなご丼に負けず、無事帰宅。
楽しかったあまり日常に戻れるか若干不安ですらある。

新しい緑。

久しぶりに新しいエフェクターを買った。

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BEHRINGER TO800というモデル。新品でも4000円しないという破格ながら、内部基盤と使用パーツはTS808と同じらしい。勿論、凄まじいコストパフォーマンスだけあって本体はプラスチック製のボディにグラついたツマミといささか心もとない。
しかしこの値段でこの音ならば、と思えば問題なし。

さて肝心の音なのだが、これが予想以上に良かったのだ。
僕は普段TS9DXというチューブスクリーマーを愛用しているのだけど、これと比較するためにTS9DXとTO800を繋ぎ、演奏中に比較。TS9は中低域が強調されたHOTモードを使用。

やはりTS9DXの中低域が「膨らむ」感じは当然出ない。しかし原音のニュアンスを残したまま(当然低域が削がれる事もない)ドライブする感覚は、他のパートを邪魔せずスッキリしていて気持ちが良い。
時と場合によってはこちらの方があうのではないだろうか。

やはり機材は適材適所。
しっかしこれが4000円で買えるのか…!!

鍋パーティーと韓国映画。

dbf05099.jpg高知からツアー中の新生Discaphoricsが名古屋に立ち寄ると聞いてJONNYみおさん宅で開かれた鍋パーティーに参加してきた。

久しぶりに会ったDiscaの皆さん、相変わらず突き抜けていて愉快な人達だ。今回は真面目な話もできて大変刺激的だった。真摯に音楽に取り組む人間は、その発想までもが無駄がなく、誠実だ。

少しずつ眠りにおちていく参加者がいる中、深夜放送の韓国映画をチラ観した。チェ・ジウが出演しており、この人の映画というのを初めて観たわけなのだが成程、世間で騒がれたのも理解できる。僕は好きな顔。
その映画はどうやらチェ・ジウと甘いマスクの主演男優の恋愛映画らしい。雨の中の出会い、再会、交流を深めていくシークエンス、すれ違い、そして和解。

はじめはブラウン管の中で繰り広げられるベタベタな恋愛ドラマに反骨心を抱いていた僕も、チェ・ジウが病によって死ぬ頃にはすっかり感情移入してしまっていた。
一体、恋愛ドラマで主役を死なせて終わらせるというのはどういう神経だ、と憤る。そんなん感動するに決まっているじゃあないか。

チェ・ジウの死後、主人公の携帯のタイマーが作動してチェ・ジウが密かに録画していた動画が再生される。携帯電話の小さい画面の中からチェ・ジウが主人公に語りかける。
そこには深い愛情と、感謝の念が。

弱いんだ、こういうの。涙腺が開きかけた僕を篠田君が激写していた。折角なので載せておく。

拝啓、いかりや長介様

拝啓、いかりや長介様。
日本を代表するコメディアンの貴方が旅立って、随分と長い時間が経ちました。折にふれてはザ・ドリフターズのコント作品を観ているのですが、その度に貴方達が如何に優れたコメディ・センスを有していたかを痛感します。
貴方と比べるのも大変おこがましいとは思いますが、人様からお金を頂いてステージに立つ身である私は、貴方の遺されたコント、そして音楽を観ては一体今の自分に何が出来るのかを考えるのです。

あなたが率いたザ・ドリフターズは今なお沢山の人に愛され、今でも沢山の人を笑わせています。私達の世代は残念ながら視聴率50%を越え、怪物番組と言われた「8時だよ!全員集合」をオンタイムで観る事はかないませんでした。私達はその後の「ドリフ大爆笑」を観て育った世代と言えるでしょう。あの「ドッドッドリフの大爆笑~♪」で始まるオープニングテーマを聴く度に、幼い頃ブラウン管の前に座ってある時は無心に、ある時はスケッチブックに落書きをしながら、ある時は家族と夕食をとりながら「ドリフ大爆笑」を観た記憶が甦ります。
「バカ兄弟」でみせた貴方の無邪気さ、もしもシリーズで演じたサラリーマン、雷様、様々なキャラクターが印象深いです。
後年になって「踊る大捜査線」で披露された貴方の素晴らしい演技、表現力の根っこにあったのはドリフで培ったものだ、と考えるのは早計でしょうか。いずれにしても私が人生で初めて触れた「お笑い」はザ・ドリフターズであったのは間違いありません。

現在この国は毒のある笑いが溢れています。時事ネタを巧みに扱って漫談を構築したグループもいましたし、地上波で放送できないようなあるあるネタを披露した女性芸人もいました。貴方がそういった笑いをどう受け取られるかは今となってはわかりませんが、私は彼らを否定するわけでは決してありません。
しかして、他者をネタにせず、弱者を笑い者にする事に依存せず、一個人の有する特徴をネタにするにしてもその対象をメンバー内に限定した貴方達の「笑い」は老若男女に等しく通じるものであり、どのような時代にあっても愛されるものだと確信しています。
未熟ながら人前でマイクを通じて発言する機会のある私は、貴方のそういった姿勢に感銘を受けました。

貴方の自伝を読んで貴方が如何にザ・ドリフターズを愛し、その躍進に意識を使われたかを知りました。貴方の采配、人材の活かし方というのは適切で前進的であり、それはそのままグループとしての発展に繋がりました。勿論、ザ・ドリフターズのメンバーの方々の素晴らしい個性、センスがあってこそなのでしょうが私は貴方の著書を読んで貴方がどれだけメンバーを愛していたかを痛感しました。貴方の愛情は貴方も述懐されたように、人の目には時に厳しく映った事もあったのでしょう。しかし貴方は素晴らしいリーダーであったと皆が認めているのは周知の事実です。

今日私は改めて「ドリフ大爆笑」の映像を視聴しました。貴方達ザ・ドリフターズはやはり素晴らしい、愛するコメディ集団でした。エンディングに「さよならするのはつらいけど」という歌詞がありますが、貴方の不在が本当に悔やまれます。貴方が存命でしたらどれだけ素晴らしい表現をされていたかと思うとそれだけが残念です。
遺された映像等で貴方の感性に触れる事ができる事のみが救いであります。

いかりや長介さん。今後も一表現者として指針であって下さい。

出会いと再会。

バンドに籍をおいてライブやそれに付随する活動をしていると、ルーチンワークのような毎日では出会えないような面白い方に出会う事があってその都度刺激を受ける。
昔と比べてそういう出会いがどんどん増えていっているのはやっているバンドのフットワークが軽くなった事も勿論あるだろうが、それよりも自分自身が「ひらけて」きた事にその本質があるように思えるのだ。

今日は今日で思わぬ方と思わぬ形で思わぬシチュエーションで再会。話自体が具体的に今後に繋がるにせよ繋がらないにせよ、今の自分で再会できた事には大きな意味があるように感じた。

年内最後の東京遠征を間近に控え、最近は08年に東京で共演した方々から連絡を頂く。ぐしゃ人間というバンドの活動の節目という事実の大きさ、それを踏まえた上で個人的には今年出会った遠方の表現者の皆さんへも誠心誠意演奏して報いたいと考えている。
そして今年一年で不完全密室殺人に興味を抱いてくださった方々には更なる刺激を。

今から実に実に楽しみだ。

「さて、仕合おうか」

JONNY、about tessとの3マン。
通常の4人に加え、後半からさらに4人を増員しての二部構成で45分演奏した。
前半は前半、後半は後半で違った気持ちで仕合う事ができ、実に新鮮。
演奏に体と手元がついていかない歯がゆさを残したままライブが終わってしまったのが無念でならない。
去年の大晦日、そして自主企画で行ったライブでのあの自分の意図しないうちに自分の実力以上の何かが出ている感覚、リズムや音符をを意識せずとも「ブレるはずがない」と確信してしまう演奏の手応え、ああいったライブはあれ以来なかなか出来ない。簡単にできても張り合いがねえなあ、とも思う。
恐らくこれは生涯いたちごっこだろう。記録更新を目指し続けます。
しかして、後半戦の4人増員、気持ちはさながら侍。
強豪ばかりを迎えて武者奮いというか本当にワクワクした。

JONNY。
リリースおめでとうございます。
08年で一番接点があったというか一番距離感が変わったバンドだと思います。お互いに自主企画に呼び合って、レコーディングにも参加し合って、最終的に昨日JONNYとああいう公演を共にできたのは大きな意味のある事だったのではないかと感じています。

about tess。
ライブを観ながら、啓蒙された。機材トラブルすらも起爆剤として世界観に引きずり込んでくるバンド、表現者を一体今まで何度観ただろうか。
幸いにもずっとゆっくりお話したいなあと思っていた総帥takutoさんと打ち上げでお話する機会を得、また感動。
クリエイティビティーの塊、好奇心に裏打ちされた挑戦意欲、それらを常に抱き続ける総帥takutoさんをますます尊敬するようになった。
かくありたい。


出してる音は全然違うものの、発散するエネルギーの質というか属性というか発散方法というか、そういったものが共通する3マンだったのではないだろうか、と出演者ながらに客観視してみたりした。関わって下さった皆さんに感謝します。

西を中心に活動しているバンドを二つ観て、大いに刺激を受けた件

体調、以前として芳しくない。

マスクをして日頃より長時間睡眠をとるようにしてみても、そして煙草を控えめにしてみても全快しない。症状は少しずつ軽くはなっているようだが、どこか気だるかったり鼻が詰まったり口の中がまずかったり(味覚は確か)する。
こういう些細な不調っていうのは少しずつ精神の健康をも蝕んでいくので困り者である。
ぼちぼち3マンも近いというのにこれではいかん、と昨夜は鵜飼さんのイベントを中座してまで自宅療養。

モーモールルギャバンは依然として素晴らしかったし、風格があった。ここ最近で30分があそこまで短く感じたのは久しぶりではないかしらん。それくらい見入ってしまって本当に愉快極まりなかった。

同じく関西からやって来たもけもけというバンド、これがまた良くってねえ。
ベース嬢とドラム嬢が猿と熊の着ぐるみを着ている。ドラム嬢、曲が進むにつれ熊の頭がどんどんどんどん回転してしまいには完全に横を向いてしまう。視界には何も写っていないはずなのにしっかりと演奏できるという点から「ああ、この着ぐるみは本気なんだな」と痛感させられる。

世の中強烈なバンドというのは多い。
本当に多い。


どうにか復活。

諸々の用事が終わってすぐに喉の痛みが僕を襲った。
空気を読んでくれるのはいいけれども、風邪が発症して喜ぶ人間なんていないんだぜ僕の体よ。
ぬれマスクと充分過ぎる睡眠、これで風邪を撃退した。

今日も今日とて練習である。
念には念を入れてマスクはしている。煙草はもう丸一日半吸っていない。

最初の事件

名探偵に、なりたかった。

小学生に通う児童時代から図書館でポプラ社の『少年探偵団』シリーズやらシャーロック・ホームズやら様々な探偵小説を読んでおり、運動音痴故に「自分は頭脳労働派なのだ」と思い込もうとしていた少年時代の僕からすれば、そんな夢を抱くのは半ば必然だったと言えるだろう。
類い希な観察眼と推理力に裏打ちされた名推理を関係者の前で披露し、しかも傲らない。そんな名探偵に僕は憧れたのだった。

しかし世界を股にかける怪盗等存在しなかったし、事件性を感じさせる怪しい連盟に疑念を抱く依頼人は僕の家を訪ねなかった。当然ながら生まれてこの方密室殺人に遭遇した事はおろか、忌々しい風習が今なお影を落とす山あいの村すらお目にかかった事はない。
事件が起きるから名探偵が必要とされ、名探偵が存在するためには事件は間違いなく必要なのだ。陰惨な殺人事件や怪しい噂話がなければ名探偵もただの阿片中毒患者であり、気障な変装狂いであり、フケを撒き散らす吃音癖のある中年男性に過ぎない。推理力を発揮する機会がなければ、彼らは我々と何ら変わらぬ一般人に過ぎないのだ。

果たして僕の人生に事件は起きなかった。事件らしい事件はあれど、それらは日常の枠を出る事もなく探偵術も推理力も必要とされなかった。された試しは一度たりともなかったし恐らく今後もないだろう。
だから今日僕が今から書くのはせいぜいがそんな『日常的な』事件に過ぎない。名探偵に憧れた読者愛好家が回りくどい言い回しや不必要に扇情的な表現を用いて、如何にしてそれを『事件』にすげ替えるのかと、まあそういうエントリーなのだ。


中学校時代の僕はと言えば根っからのインドア嗜好で、持ち前の日陰者精神をいかんなく発揮して自分の世界に閉じこもっていた。アニメーションや漫画、推理小説や連続猟奇殺人犯の記録、サイコ・ホラーにサスペンス、刑事ドラマ。おおよそ僕のような男子中学生が嗜好する類の娯楽に僕は耽溺し、友人達も同好の士ばかりで、一般的に言えばそんな僕達は「オタク」だった。
世間とうまく折り合いをつけれない人間にしてみれば自分の世界を確立さえしてしまえばそこは楽園たり得る。
楽園の住人との日々の語らいや意見交換は無条件で楽しかった。専ら2人の人間との交流を主なものとしていた僕は彼らとの友情(今思えばそれは酷く不器用ではあった)を信じて疑わなかったし、今でも当時の僕らは誠実であったと信仰している。
しかしその2人が、揃いも揃って触法行為に手を染めると誰が予想しただろう。

中学三年当時、僕はクラスの卒業文集の編集を担当していた。クラスのリーダー格の男子生徒から依頼されたその役割に僕は没頭していたし、素晴らしい文集を作り上げる事が彼のカリスマ性にあやかる方法だと心得てもいた。お互いの敷居を跨ぎ合い、僕達の間には友情も存在していたし、それが僕の原動力になっていた。

その日も僕と編集委員数名は僕の部屋で文集編集に余念がなかった。作業ははかどり、僕達は完成へと着実にむかっている作業に集中していた。
と、自宅のインターホンが鳴らされた。誰かが自宅を訪ねてきたらしい。編集委員は全員揃って作業に従事しており、玄関口から階段を昇った場所に位置する僕の部屋には母親の声が聞こえてくるばかりだ。
程なくして母親は僕を呼び、僕は何事かと階段を降りていった。玄関には制服にその身をかためた警察官が二人立っており、彼らは僕を見るなり「ああ、違うわ」と何か納得したような素振りを見せた。
母親と共に事情を聞く。

警察官が話した概要はこうだ。僕の通う中学校からそう離れていないコンビニエンスストアから「中学生の万引き犯をひっとらえた。名前も何も言わずだんまりを決め込んでいるので来て欲しい」と通報があり、警察官らがコンビニエンスストアに向かったところ果たして中学生とおぼしき少年が捕らえられ、うなだれていた。
賊は名前をなかなか言わなかったがついに観念したのか自らの名前を名乗った。
「フナハシタカヒロ」と。
その「フナハシタカヒロ」氏は住所を尋ねられても要領を得ず、親の名前も口ごもっている。地図を渡すと一点を指したので確認と親御さんへの注意がてらその家に来た、とそういうわけらしい。

コンビニエンスストアで捕らえられた「フナハシタカヒロ」は名を名乗り住所も打ち明けたので解放されたそうなのだが、「フナハシタカヒロ」と本人である僕の顔が全く違うという事で警察官らは自らの疑念、すなわち「フナハシタカヒロ」は他人の名をかたっているのではないかという旨を確信したというわけである。
あわや真犯人はこのまま雲隠れか、と思われたが七割の好奇心と二割の功名心、そして一割の正義感が僕を動かした。
僕は「フナハシタカヒロ」の詳しい容姿と取り調べ(という程大袈裟なものでもなかったろうが)の様子、「フナハシタカヒロ」が何を盗んだのか警察官らに尋ねた。
彼らは必要以上の事を言わぬよう僕に情報を教えてくれた。

結果、僕の脳裏に一人の男、普段僕とアニメーションやら何やらで親睦を深めている同級生の顔が浮かんだ。彼はコンビニエンスストアの近くに住んでおり、容姿も見事に当てはまる。
母もどうやら同じ結論に至ったらしかった。
念のため、と警察官らに尋ねられた僕は小学校の卒業アルバムから彼の住所を調べてそれを二人に伝えた。僕達の勘違いである可能性も非常に高いので、ゆめゆめ留意して頂きたいと伝えると僕は文集の編集作業に戻った。

「フナハシタカヒロ」が菓子折りを携えた母親と謝罪に来たのは数時間後の事だ。僕はただただ疑問に思っていた事を尋ねた。

「どうして、盗んだりしたんだ」
彼は答えた。
「…明日アニメグッズを買いに行く予定だったから金を使いたくなかった」


彼が盗んだのは、俗に言うところの『エロ本』だった。


これが僕の人生最初の『事件』。オチとして追記しておくと、その夜彼から電話がかかってきた。
「…俺達まだ、友達だよな…?」
僕は曖昧に言葉を濁すと、受話器を置いた。

ザ・フロイトでライブでした。

1018720799_179まっちと共にサポートしたザ・フロイトのライブも終了。
ここ最近はdadapandaとザ・フロイトのスタジオに入る日々が続いていたので、こうして終わってしまうと寂しさすら感じたりする。
何よりの収穫はメンバーとの距離感が縮まった事だろう。
終演後に会場に顔を出して下さったという山腰君に会えなくて残念!

途中で音が出なくなるハプニングはあるものの、終始良い気持ちで演奏できた。
エフェクターを繋がないなら繋がないでふっきれた気持ちになるし、その演奏は演奏で大いに楽しめるものだと痛感。自分で思っていた程エフェクターに依存しているわけではないと発見できて良い経験になった。
ザ・フロイトの楽曲は変拍子に複雑な楽曲構成、そしてタイトさが要求されるキメが結構あるので、サポートする事で勉強になったと思う。

共演した太平洋不知火楽団も半年程前に山田君がmyspaceで発見してから気になっていただけに共演できて嬉しかった。一緒にやってみたいなあと思うバンドさんと一緒にやる機会が比較的すんなりやってくるのは(今回のはしかもサポートで、だなんて本当に偶然に恵まれている!)嬉しい。

衝動的な演奏、観ているこっちがハラハラするくらいなりふり構わないアクション。
そりゃあ怪我もするよ。
しかして、リハーサル後にベースの方とゆっくりお話する機会に恵まれたのだけども、ステージ上とは真逆の丁寧な方だった。
是非不完全密室殺人でも共演したいなあと思う。

dadaPandaライブ

0c689b6b.jpg今日は鶴舞デイトリップにて非常勤で参加しているdadaPandaのライブ。
サンズアンプとチューナーのみを繋いで演奏。
歌を邪魔しないような音作りを心掛ける。良い意味でエゴイスティックな音作りを普段は狙っているのだけども、ベーシストとして自覚的に演奏するのは個人的には新鮮な試みだった。

神田佑介も音量とアタックに気を使っていたようで、リズム隊のそんな意識が有機的に作用していれば良いのだが。まだ客観視していないので何とも言えないけれども、お客さんからはまずまず好評だったようで本当に良かった。
とりあえず安心。

今後dadaPandaはレコーディング作業に入るようでそれもまた楽しみである。

ピクシーズ

スタジオ後にふとした弾みでピクシーズの話になった。
思い出されるのは今年の始め頃に観に行ったピクシーズのツアームービーの事である。

大学時代に先輩から薦められたピクシーズ。
「コピーしたいから聴いてみて。気に入ったら一緒にやろう」と渡されたCDを聴いて、僕はすぐにピクシーズを気に入った。決してうまくはない歌にテクニカルな事はとりたててしていない演奏。しかし何だか妙に心に残ったのだった。

映画で描かれていたのは再結成からツアーに出た彼らの等身大の姿。かつてバンドが置かれていた緊張状態を決して忘れる事ができず、当時のようにナーバスにならないよう気を使い合いながらリハーサルを重ね、話し合いをする彼ら。
しかして長いツアーの過程において、やはりストレスは溜まらないわけがなく、それぞれがそれぞれのやり方でバンドに向かい合う。

アルコール中毒だったメンバーはアルコールを控え室に置かないようマネージャーに要求し、神経をすり減らしたメンバーは親を亡くした事で心を閉ざしiPodのイヤホンを耳から外そうとしない。トレーラーの中で眠りに落ちる際に聴いているのは自信回復のための自己啓発テープで、家族とパソコンで通信するささやかな時間を癒しにしたりする。
そんな方法でバンドに向き合う彼らは、ともすれば我々より弱く繊細な存在だ。

ライブ直前、控え室が悪い雰囲気に包まれボーカルの歌う鼻歌が空しく響き、ライブ直後は演奏に集中力がなかったメンバーに理由を問い詰める。

めちゃくちゃに生々しく、リアルな映画だった。
半ば神格化されていたピクシーズの等身大の姿を描いた映画だった。
最後のシークエンスが忘れられない。

インタビュアーに対しボーカル氏が語る。
「僕にはいつだって彼らと演奏する準備は出来ていた。僕は彼らが“やろうぜ”と言ってくるのをずっと待っていたんだよ」

何故だか、涙が出た。

濃密な一日

新栄CLUB ROCK'N'ROLLで行われたブッキングマネージャー&店長の本多さん生誕35周年企画に行ってきました。
これは名古屋を中心に活動するバンドから13名のボーカリストが出演し、それぞれ弾き語りをするというもの。来場者にはアンケートが配られて投票、企画の最後にそれらを集計し各種部門で一番投票が集まった人間を決める、というものでした。

で、アンケート項目の中に「色々な意味で忘れ難い、“衝撃を受けた”ボーカリストは誰ですか?」というものがあったのですが不完全密室殺人から出演していた山田君がこの賞を受賞していました。
彼が演奏した曲は彼のソロ名義の曲「ねじ」「わさび煎餅」の2曲でした。これがもう異様な盛り上がり。最低で最高だと身内だとか関係なく思うのですが、会場の皆さんも皆笑っていました。

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良かったなあ、山田君。

終演後には皆でお誕生日の歌を合唱、本多さんの生誕35周年を祝いました。本多さんお誕生日おめでとうございました!

そのまま慌ててスタジオへ向かい、不完全密室殺人スタジオ。
新曲(とは言っても一度だけライブでもやってみたのですが)を詰めています。ガツンガツンというよりかは穏やかで、邪悪というよりかは切ない曲です。

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今回の曲用に引っ張り出してきたマルチエフェクター。
何でもクラムボンのミトさんや亀田誠治師匠も愛用していたとか!

東野圭吾『ガリレオの苦悩』


続・我が逃走


東野圭吾『ガリレオの苦悩』の感想を書いてみる。
(本作と同時刊行された『聖女の救済』の感想はこちら 、話題作『容疑者Xの献身』の感想はこちらこちら から)

いよいよもってしてハマッてしまった『ガリレオ』シリーズ。
長編は好んで読んでいたものの、短編はなぁと以前の印象を払拭できないまま本書を手に取った。淡白過ぎる文章で書かれる短編に味気なさを感じるんじゃあないか、等と危惧していたものの、どうしてどうして。
これが一晩で読了してしまう程、実に面白かったのである。

本書は『落下る』『操縦る』『密室る』『指標す』『攪乱す』の5篇の短編から成るわけなのだが、一番印象深いのが第二章の『操縦る』である。湯川の大学時代の恩師が登場する本作は『容疑者Xの献身』を踏まえた上で読むと尚更に味わい深い。
「人の心も科学です。とてつもなく奥深い」
ネタバレは避けるが、この発言が湯川の口から出るそのシーンは本書に収められた5篇の短編の特性を端的に示しているのではないだろうか。

『容疑者Xの献身』で人の心の奥深さに触れた湯川先生、どうやら随分とスタンスが変わったご様子。
その辺りが楽しめるだけでも、もう立派にキャラクターとして愛されるようになった『ガリレオ先生』愛好家としては必読である。

自己紹介

Author:舟橋孝裕
愛知県在住、ベースギター奏者です。
・JONNY
・パイプカツトマミヰズ
・犬栓耳畜生
・白線の内側
 やサポートでベースを弾きます。

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