28日と29日について。

この数日間、バタバタとしていてこうしてキーボードに落ち着いて向かう時間すらなかった。

ふとした時間に携帯電話のメール送信機能を使ってエントリーを投稿する事もできたはずだが、本当に濃密な時間の中ではそういう自分を焼き付けようという作業にはなかなか向かいにくい。

というわけで必然、記録としての濃度は薄れるが記憶としては高濃度のエントリーを書かざるを得なくなる。


28日、年をまた一つ重ねた。

僕の周りには僕より若いにも関わらず僕なんかより余程人格的にも経験的にも、ひいては人間的にしっかりとした『出来上がった』感のある人間がいるし、僕より年を重ねているにも関わらず精神的に幼く、冷静さと他者への配慮に欠き『幼さ』を痛感させる人間もいる。だから年齢なんてものは所謂ただの数字で、その人自体を象徴する何者にも成り得ないのだろうけれども、少なくとも何かしらウキウキする日であるのは間違いがなく、僕は生まれてから幾度となく迎えてきたこの日を依然、ほんの少しのワクワク感を伴って迎えた。

ワクワク感=期待、とでも言ってしまおうか。正直に打ち明けてしまえば『誰かが祝ってくれるかもしれない』という期待である。

僕は卑小かつ自分の欲望には正直過ぎる程に正直なので、誰かが僕の誕生日を憶えていてしかも祝ってくれるかもしれないという期待を捨てられなかった。結果としては、僕の期待は予想を上回る賛辞と素敵な会合、魅力的でユニークな誕生日プレゼントに今後真摯に向き合って応えていくべき友情によって十二分に満たされたのだった。


この日は鶴舞公園(余談だがずっとずっと『つるまいこうえん』だと思っていた『鶴舞公園』だが『つるまこうえん』である事が判明した。へぇー)で友人や縁のあるバンド、興味深いバンドが多数出演するロックフェスがあるというので少しだけ早起きをして出掛けて行った。夜にはdadapandaによるライブを控えた身なので、楽器とエフェクターを背負っての移動だったのだけれど、思っていたよりも随分と寒い。結局この日の気候故か僕は年を重ねて最初の風邪をひき、それを翌日までひきずってしまうのだけども、まあ、それは。うん。

鶴舞公園に到着すると見慣れたバンドマンや友人達の顔がちらほら見える。

数年前の僕だったらきっと見知らぬ顔ばかりだったのだろうなあと思うと、一つのバンドを集中して継続する事で得た出会いの多さ、それに伴って私生活にも影響を及ぼした交友関係について思い知らされる気持ちだった。

しかし打ち合わせもしていないのに(神田君には連絡していたけれど)不完全密室殺人が全員揃ったのには、何だか苦笑してしまった。活動休止中という感じがいまいちしないじゃあないか。


ここ最近の僕はザ・フロイト と浅からぬ縁がある。

JONNYで遠征に赴いた際も移動中はザ・フロイトの話題でもちきりになったし、ザ・フロイトの面々と会う機会も激増している。お互いにメンバーを派遣しあった縁からか、人並み以上の親近感を抱いているつもりだ。この感情に関してはいつの日かバンドをやる身として何かしら結実させたいなあと思っている。話題が伸び過ぎたが、兎に角ザ・フロイトの演奏が僕には非常に楽しみで、結果的に彼らは僕達の期待を大きく上回る演奏をした。

鶴舞公園奏楽堂という場所はザ・フロイトというバンドにとってとてもとても似つかわしく思えたし、半地下みたいになっている奏楽堂内の反響が極めて自然に彼らの音楽を増幅させていた。

最前列かでビッチリと集まった観客の目と耳は彼らの表現に注がれていたし、その好奇の目、耳に彼らは非常なる演奏を以ってして応えたのだ、と思う。

神懸った格好良さだった。

その後友人と談笑したり昼食をとったりしているうちに、どんどん体調が悪くなってきたので車中で昼寝。dadapandaのライブに備えた。ここで睡眠をとっておいて良かったと思う。少なくともまだ始まりに過ぎなかった倦怠感ではあったけれども、ここでの休息がなければ僕はこの夜を無事に乗り切れたかどうか。


この日dadapandaはBUILDING というバンド(ツインベースという個人的にも非常に興味深いバンド形態。そして滅茶苦茶に格好良かった。たまらんっすなあ)企画に出演。クラブでのライブという事で普段出演するライブハウス程充分なPA機材もない環境でのライブである。元よりこのような環境での演奏に否定的な人間ではない。未知の体験を拒んでは人間の可能性は絶たれるだけだし、何もかも楽しむ姿勢というのはこのような場合でも建材である。

聞くと、ドラムセットやアンプ等も主催のBUILDINGメンバーの方々が持ち寄って用意された様子。その好意を無にはできぬと演奏に臨むものの、まさかの自分の機材トラブル。思わず笑みがこぼれる。

尊敬する表現者がかつて「演奏が中断する程の機材トラブルでも起爆剤に成り得る」という話をされていたが、その範疇に完全に到達できたわけではないにしろ、片足程度は突っ込めたのではないかと思う。

こうして誕生日のライブを無事(?)終えた。


29日、発熱。

朝方熱を計ると37.3度の微熱。しかしてこの倦怠感は何か。

JONNY非常勤でsfn.9 企画へ出演するという事で新栄クラブロックンロールへ行くも、リハ後ダウン。

パブロンをレッドブルで飲み干して車内にて睡眠をとった。

起きると少しだけ体が楽になっていたものの、依然発熱の感アリ。『熱はエネルギーの源足りうる』と自分に言い聞かせステージに上がった。演奏に全く支障はなかったものの、終始フワフワする感覚に興味と戦慄をおぼえてライブ終了。

万全の体調ならば色々な人とお話したかったのだが、倦怠感は意識にまで侵食していたので没交渉気味。愛想がなくて申し訳なかったです。


そんなこんなの二日間。

体調も良くなりました。

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JONNYと関西に行ってきた。

25,26日とJONNYに同行して関西ツアーに行ってきた。

ざっくばらんに書いてみよう。


初日は2月の不完全ツアー でもお世話になった梅田HARDRAIN。そう久しぶりな気がしない。開場前に隣の焼き鳥屋のサービスタイムを利用し、4人で乾杯。この日の出番はトリ、最後である。一生懸命演奏した。曲のテンポが随分と早くなっていたようで(バンドが興奮状態に陥るライブだとたまに発生する。場合によっては演奏者本人達がそうなっている事に気がつかない場合すらある)、MCでその現象についてお客さんに説明しようと手を叩いたらその手拍子自体がもうグズグズだった。

終演後はJONNYを昔からご覧になっているH本さんと談笑。どうやらこのブログも読んでらっしゃるようで、有難い限りです!

打ち上げはジュエリービーンズというバンドと一緒に赤ちり亭 へ。

ジュエリービーンズというバンドは独特の呼吸というか、妙に中毒性のあるバイブスを放つバンドである。白塗りのバンドと共演するとは思っていなかっただけに大いに湧く。

で、彼らは打ち上げでも気が狂っていた。ドラムの加藤君は赤ちり亭名物のハバネロチキン(物凄く辛い。というか辛いというレベルを超越している。10分間近く苦悶する事になり、顔から出るものが全て出る)を一盛り上がりした後も黙々と食べていた。

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赤ちり亭にてハバネロチキンを食する3人。
この後皆顔から出るものを全部出しながら苦しむ事となった。


得難い出会いに感謝しつつ、カプセルホテルの温水プールに興奮してひとしきり泳ぐ。ライブで体を酷使した後は運動をしてほぐすのが良いだろう。なに、これでもスイミングスクール出の元水泳部(小学生時)である。

・・・疲れる。ボーッとつかっている篠田君の後ろをバシャバシャ泳いだのだが、ただ疲れただけだった。

カップラーメンを食べて就寝。


二日目、まずはfm GIG というインターネットラジオの収録をするために京都に向かう。

4人中2人しか話せない、という事でみおさんと何故か僕が出演、収録に臨む事となった。そもそも非常勤、行動をともにする事は多いといえどもサポートベーシストの僕がそれでいいのか。しかもJONNYの歴史とか知らず、何ならライブとかを観たりしているのもここ最近でそれで大丈夫か大丈夫か大丈夫か(以下略)


続・我が逃走
「自己紹介をお願いします」
「JONNYで唯今現在ベースを弾いているフナハシと申します」

思い返してみれば数年前に多治見のFM局がやっているインディーズバンド紹介番組に、前の前のバンドで出演したのだが、こういうシチュエーションで話をするのは久しぶりだ。過去の経験をすっかり忘れて「初めてラジオで喋る!」と勘違いしていた程だ。口の中は乾き、頭の中は様々な感情、単語が渦巻き、尻はモゾモゾし、足は震える。緊張感が漲っている。きっと顔も紅潮している事だろう。嗚呼。


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fmGIGの皆さんと


どうにかネットラジオ収録も終わり(4月末に放送されるようです。詳細はおってまた)、JONNY一行は一路神戸へ向かう。事故から成る高速道路渋滞等に苦しめられつつもどうにか神戸HELLUVA LOUNGEに到着。

こうしてバンドに現状3つ程関わっていて、面白い経験をする事も多いのだが、ツアーの楽しみといったらご当地の名産品と見知らぬライブハウスだろう。そういった観点ではここHELLUVA LOUNGEには大いに興奮させられた。床が、光るのである。

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誰かのアーティスト写真で見た床であった。


こういう特色のあるライブハウスは忘れ難い。そして経験上こういった場所、こういった日の演奏は良いに決まっている。会場で一悶着あったようなのだが、その空気にあてられてか闘争のような気持ちでライブをし、最後には文字通り闘争を繰り広げた。篠田君、強え。

沢山汗もかいたし、体もライブ後にバキバキになっていたのできっと恐らくは物凄くはしゃいでライブができたのではないか、と。

そうそう、神戸で忘れてはいけない。

会場すぐ近くの料理屋さんで食べた、この二日間最大の贅沢にして最高の料理、究極の美味にして至高の特産品がこれである。

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明石焼きに神戸牛のステーキ

これがもう本当に旨かった。最初はライブ直前だし節約を・・・等と思っていたのだがみおさんの「これは旅なんだぜ」という言葉に「確かに今日食べずにいつ食べるのだ」と思い直し決断。結果、食べて本当に良かった。旨いものを食べるのが良い演奏の次に重要な使命であるからして、この二日間でJONNYの非常勤ベーシストとして僕個人は大いに満足である。

そういえば

料理の事ばかり書いていると 僕がバンドをやっているという事を忘れられてしまいそうなので(笑)、ライブ告知でもしてみます。

今週は物凄い勢いでライブが入っているのです。


3/25(水) 梅田HARD RAIN

JONNY(名古屋)/Red sneakers/AMAMS 他

18:30/19:00  

\1800/\2300



3/26(木) 神戸HELLUVA LOUNGE

NTERCEPTORS/JONNY (from 名古屋)/The Calendar Of Happy Days/tombo

18:30/19:00

\1,500/\1,800


というわけでJONNY 非常勤で大阪に行きます。

2月の不完全密室殺人関西ツアー でもお世話になったHARDRAIN、そして『床が光る』神戸HELLUVA LOUNGEに出演します。出番はいずれもトリのようで、一般的にツアーバンドって真ん中とかに出順設定して頂く事が多いような気がするのですがこれはどうやらJONNYの皆さん、期待されている様子!

これは僕も気合を入れて演奏せねばなりますまい。


で、名古屋に戻ってすぐに



3/28(土) 名古屋 club EDITS

Worst Taste new album “ダンスで決めて!”Release Party in Nagoya

【BLD presents SPACE RUNAWAY】

Worst Taste(東京)/Rockhakaba/dadaPanda/BUILDING

*DJ* King Joe(SOFT HELL!)/substance
18:30/19:00

\2,000/\2,500



これにdadapandaというトリプル女性ヴォーカルバンドで出演しますよ。去年の12月に引き続き非常勤ベース。

この日はワタクシ誕生日でして、誕生日にライブだなんて本当に恵まれていると思います。


で、その翌日は



3月29日(Sun) 新栄club Rock'n'Roll
short film no.9 presents
『slow step stroll 07』

Yucca(東京)/neonsign(大阪)/JONNY/white white sisters/short film no.9

17:30/18:00

\2300/\2500


再びJONNY非常勤でsfn.9 企画に出演。何だか久しぶりのロックンロールな気がします。

sfn.9、ギタリストのマリコさんとはシャーロキアン仲間という事でこの日は若干知的なベースを弾きたいと思います。


こうして改めて数えると一週間のうち4本もライブがある・・・!!

4/7がライブであるわけで、これはもう最高に楽しいに違いない。どんな出会い、どんな感動が待っているのか僕自身大いにワクワクしている近い将来でした。

『かまたまうどん』

バイト先がやっている音楽教室の発表会があって目の回るような忙しさにここ数日間ブログを書く余裕がなかった。

優先順位の低い位置にブログがあるわけでなく、高い位置にあるが故の更新デキズ。しっかりとしたエントリーを書いていきたいという気持ちがあるのです。


先日さり気なく『チャレンジ!クッキング 』というカテゴリーを当ブログに増やしたのだけども、第一回『煮玉子』と『白菜のシャクシャクサラダ』 に関するリアクションが思いのほか頂けてビックリした。やはり食は人間の根幹に関わる事柄であり、『食べる事』に関しては人類共通の話題といえるだろう。

以前辺見庸氏の『もの食う人びと』という全世界の食と、その風景、人に関するルポルタージュを興味深く読んでいたのだけれど、そこの中の一説に「各国首脳がレストランに一同に介し、格好をつけずに好きなものを好きなように食べながら世界平和について語り合えばどうか」という一節があったのだが、つまりまあそういう事なのかもしれない。

『食』に関して抱く感慨と好奇心が全人類共通なのであれば、インターネット上に溢れている簡単料理のレシピに対して僕が実験に対して抱く知的好奇心に似た感覚を抱くのも無理はないと、強引にこの話題を打ち切ろうと思う。


さて今回作ってみたのは『かまたまうどん』。インターネット上をふらふらしていたら物凄く食らいたくなったので作ってみた。うどんは市販のものだし(いずれうつところからやってみたいなあ)、料理と言っていいのかわからないくらい(調理法?)手軽に作れるものなのだが、拘りだすとこれがなかなか奥が深いようだ。


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要するにこれってうどんで作る玉子かけご飯のようなものなのだろうか。


玉子一個に対するうどんの分量自体で随分と成否がわかれそうな料理である、というのがまず抱いた感想。

まずくはなかったのだが、もう少したまごたまごしていても良い気がしたのはつまりうどんと玉子の比率が悪かったのだろう。麺つゆをたらして食ったのだが、玉子の風味と麺つゆの味わいが理想とは逆転していて少し残念。それでもまずいどころか旨いと感じれるところにシンプルな料理の凄みを知った。

失敗ではないが、大成功ともいえないところ。これは近々リベンジせねばなりますまい。


うどんが二玉余っていたので、そのままぶっかけうどんを作る。

かまたまを作る時より若干短めに茹でてみたのだがこれが大成功。ぶっかけうどんにするには丁度良いコシと喉ごしを楽しめた。一玉50円くらいであれだけおいしいのなら、これからもうどんを食べる機会が増えそうだ。



で、実はうどんの前にもう一品、『もやし炒め』を作っていた。

もやしを炒めて市販のタレをかけて馴染ませるだけの、エントリーに書くまでもないくらいの一品なのだが、買いすぎたもやしを味噌で炒めて黒胡椒で味付けしたものがあまりに味が濃かったので記念に記述を残す。


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「これは…濃いな」


『かまたまうどん』の覚書

・たまごは冷蔵庫から出した後、常温に慣れさせておく。

・黄身と白身を物凄い勢いで混ぜ合わせる。

・丼に湯をいれ、丼を温める。

・うどんを茹でる。茹で加減はお好みで。

・丼の湯を捨て、玉子を投入。すかさずうどんを鍋から直接入れる。

・うどんを玉子を混ぜ合わせる。玉子がうどんの余熱でうどんをコーティングするように固形化したらOK。

・ポイントは『如何に熱を逃さないか』『うどんとたまごを如何に混ぜ合わせるか』

・お好みで麺つゆ、醤油を少したらしてすする。


『もやし炒め』の覚書

・フライパンのサラダ油をたらし、もやしを炒める。

・元を投入。

・味噌を少し水に溶かしてかけ、仕上げに黒胡椒で味を調えると左側の黒もやし炒めになる。

・黒は味が濃くて喉が乾くので注意。

・右側の白は市販のもとを使っているだけあって無難な味。

借り物演奏inスタジオ

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dadapandaのスタジオでした。

バイト先からその足で駆けつけたので、ベースもエフェクターもシールドも全部スタジオの備品を借りました。
Fender Japanのプレシジョンベース、WEEDモディファイのBOSS ODB-3、サンズアンプ。

アンプのトレブル全開で弦高高めのプレべのアタックと輪郭をひねくり出しました。
歪ませると良い感じ。

楽しかったです。

『煮玉子』と『白菜のシャクシャクサラダ』

3月も折り返し地点を過ぎた。

世の中は大量の花粉で溢れているようで、鼻をすすっている友人、くしゃみをしている友人、マスクをしている友人に会っては「花粉症?」と訊くのが最早条件反射のようになってきた。

一方僕はといえば体が鈍感なのか、それとも抵抗力があるのか、どうやら今年の花粉量も僕のキャパシティの中に収まってくれたようだ。


さて、最近興味を抱いている事といえば専ら『料理』である。

『男の料理』なる本を読んでみたり簡単な料理から手をつけたり、料理経験ゼロ(勘でラーメンを作った 事くらいはあったか、そういえば)の素人料理人を気取っているのである。

人生で初めて作ってみた味噌汁は、出汁も出汁のもとを使って味噌の量さえ気をつければ無難においしくなるはずだのにやたら塩っ辛く、乾燥わかめのもどし方すら僕は知らなかった。

味噌汁が煮える頃にはつくづく過去24年間の怠けを痛感した次第だ。


次に神田家にて白菜のシャクシャクサラダに煮玉子に挑戦した。

これがなかなか旨くできた。特に煮玉子は好評で僕自身大いに気を良くした。実際、なかなか旨かったと思う。


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煮ている最中。
断面の写真を撮影していないのが悔やまれる。

これを『料理』というのか『仕込み』というのか判然としないが、とにかく何かしらの『旨いもの』を自分自身の手で作り上げたという達成感。これは得もいえぬ感動がある。作っている最中の緊張感、自分の芯がピンと張り詰める心地良い集中力、そして「旨い!」という言葉を貰った瞬間の満足感。勿論自分で食べた瞬間の楽しさも付随する。

料理という奴はかくも楽しいものだったか。

少しずつレパートリーを増やしていけたら、と思う。

とりあえず煮玉子は一日つけたもの、二日つけたもの、三日・・・とどのタイミングが一番美味しいか研究してみる価値がある。



『煮玉子』の覚書

・沸騰したお湯に塩をひとつまみ入れ、玉子をそうっと入れる。

・6分半~7分ゆでる(これで黄身が半熟になる)。

・ゆでながらみりんと醤油を1:1の比率で混ぜ合わせる。砂糖を少々。

・玉子の殻を剥いたらビニール袋に先程作ったつけダレを流し込み、全体が満遍なく漬かるように留意しながら玉子を投入する。

・今回は一時間漬けた後、鍋でつけダレもろとも少し煮込んだ(この時黄身が固まってしまった可能性がある)。



『白菜のシャクシャクサラダ』の覚書

・白菜をザックザク切る

・塩こんぶと白ごま油を混ぜ合わせ、醤油で味を調える。比率は適当。

・白菜にかける。

ベースのネックから伝わる四季。

日本というのは四季折々の気候があるのだ、と感じさせられる。

とは言っても僕のような人間が日本の風土に関心を持つのは、草花の彩りや冬の澄んだ空気からではなく、これがもう本当に風情を理解する感性がないようでナンなのだがベースのネックからなのである。

乾燥し易い冬は指板から水分が蒸発し木材が収縮、結果ネックが順反りしやすい。僕の手元にきてはや4年以上のYAMAHA SBV-550だが、幸いにもこまめなチェックとネックが当たりだったのか、一定のコンディションを保てていた。
しかし最近シビアにチェックしてみるとこれが僅かに順反りしている。
演奏には何ら影響がないレベルではあるのだが原因がわからぬ以上何とも気持ちが悪い。

最近はJONNYで演奏する機会も多い故、全弦半音下げチューニングにする事が多い。ネックにかかる負荷という観点から鑑みるに、それが一番影響を与えていそうだがもしネック反りがその半音下げチューニングによるテンションの変化に起因するのであれば、ネックは逆反りを起こしていなければいけないはずである(ネックはレギュラーチューニング時に真っ直ぐになるように調整している)。
では何が原因か。

ふと思い出した。
今年の冬はやたら喉を痛めている。風邪を患って寝込む以外にもやたらと咳が出たり、喉がいがらっぽかったり。どうやら僕の部屋の乾燥、しかも例年よりも悪辣な環境に原因があるのではないか、と考えられる。
人体に影響を与える程なのだから、ネックは言わずもがなだろう。

さてここでバイト先の上司の登場である。最も身近な楽器のプロに、楽器の使用状況(チューニングetc.)を伝え指示を仰いだ所「トラスロッドを弄るのは簡単だが、反りが極僅かならばしばらく様子を見よう」との事。
四季によって気温も湿度も大きく変わるこの日本という国の風土上、季節が変わるとまたネックがさらされる状況も変わるわけである。演奏に支障をきたさないのであれば、デーンと構えて春を待とう。

いや、レモンオイルを塗り込んであげたりは流石にしようと思っているけれども。


続・我が逃走
レモンオイルを塗って休ませている所。ゆっくり休め。

C大学F専科のライブに行ってきた。


続・我が逃走-CA390421001.JPG昼頃まで寝、ノッソリと起き出して大学へ。

学生時代に所属していたサークルのライブに行く。この時期といえば卒業ライブであるが、我々のサークルでは『レギュラーライブ』という呼称で催されていた。

「卒業間近にやっとレギュラー入りだ」と中日好きな先輩が昔冗談を言っていたけれど、よくよく考えればこの『レギュラー』って何なのだろうか。


兎も角、僕が4年生の時に入学してきた1年生が、何ともう卒業だという事だし、有難くも各務君が小谷美紗子のコピーバンドで誘ってくれたのでベースを背負って出掛けていった。

このバンド、曲間で各務君も言っていたけれど今まで何度もこのメンバーで演奏してきたメンバーであり、それ故に僕も思い入れが一定以上だ。これで人前で演奏する機会が最後になるかもしれないと思うと、気合が入る。


大学に着くと丁度ライブが始まる所だった。そのうち僕の同期の落合君や先輩も集まってきて、場所も場所だけに昔を思い出して「嗚呼、僕も相応に年を重ねたのだなあ」だなんて思ってしまった。大学卒業以来時間の流れがとてもゆっくりで、自分も年をとっているという実感がいまいち湧きづらかったのだが。

演奏は本当に楽しくできた。終わらなければいいのになあ、なんてひどく冷静に思いながら、僕にしては丁寧に丁寧に演奏したつもりである。他の4人も楽しかったようで、これってつまり皆で楽しめたという事で本当に良かった。


画像は4年生の後輩が主軸になってやっていたsoulkidsのコピーバンド。

落合君が「僕らの世代がThe ARROWSをやったような感覚なんだろうなあ」と。成程。

演奏を終えた後のVo氏の顔が滅茶苦茶良かったし、演奏も良かった。あと画像のVo氏が落合君達とやっていたくるりのコピーバンド、観ていて何だか泣きそうになったのはここだけの話である。


ライブが終わり、八事に2月末に開店したという『ハードロックヌードル』へ。

ブラウンマイルドヌードル(200g)を食らう。所謂二郎インスパイア系なのだが、ちょっと洒落た感じ。太麺をガッツンガツン「食らう」感覚、ワシャワシャ口に突っ込む快感は得もいえぬ。『あの』気配を名古屋で、しかも行動範囲内の八事で感じれるというのが本当に嬉しい。学生御用達の店になるんだろうなあ。

で、学生時代から通っている『ラーメンのり平』にてくつろいでdadapandaスタジオへ。


2日間通して本当に実りある休日でした。

K.Dハポンで国際交流

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画像は共演したValley Lodgeさんと。来日お疲れ様でした。この後のツアー、そして日本を楽しんで下さる事を願っております。

というわけでJONNY非常勤だった。英語を話される方と共演するのは初めてで、英詩の曲をやるバンドに参加する人間にしては滅茶苦茶なブロークン・イングリッシュで話してしまったと思う。つくづく僕という人間は英語が駄目で、ライティングなら高校生レベル相応にはこなせるものの、いざ英語を活用しようとなるとどうしようもない。過去に詰め込んだ英文法はいずこかへと飛び去り、英単語は忘却の彼方へと行ってしまう。顔を真っ赤にしながら日本語発音で必死に滅茶苦茶な英語を話そうとする眼鏡のチビな日本人を、彼らはどう思っただろうか。

反面、海外の方との会話、異文化交流には非常に興味を感じている。積極的に行いたいという気持ちすらある。とかくValley Lodgeの方々は、ライブの様子を観ていても気さくで陽気な人柄だと伺い知れたし、何より「共演した」という事実が僕の気を大きくさせていたのだろう。

「Bass,Epiphone,Jack Casady Bass,you use is very fat,and great tone.Your play is greatfull.(あなたが使っていたエピフォンのジャック・キャサディベースはとても太くて良い音がしていましたね。あなたの演奏は素晴らしかったです、と言いたかった)」
今思うと文法として成立してすらいないのだが、ベーシスト氏は微笑みを浮かべながら礼を言い、僕の演奏を誉めてくれすらした。「Great」という簡潔極まりない英単語が、シチュエーションによってはかくも嬉しいものなのである。音楽は国境を越える、とは使い古された言い回しであるかもしれないけれど、あの賛辞にお互い嘘はなかったように思う。とてつもない励みになった。

「can we meet again?(またお会いできますか?)」
「Yes!(勿論!)」

無様な英語を話す日本人の、感極まったハグは彼の背丈故にかなりの背伸びを必要としたのだけれどそれでもその日本人は大いに気を良くしたのであった。

効いたよね早めの

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パブロン!!

喉の具合が悪く、このまま対策を練らねば風邪に発展しそうなので先手を打つ事にした。

大量のパブロン、Red Bull、豚汁。
あとは充分な睡眠さえとればバッチリだぜ。
寝るぜ。

横では山田君が何か難しそうな勉強をしている。今日の練習では懐かしい曲(今となってはディスクユニオンの委託販売でしか売っていないCD-R収録、くらい昔)を久しぶりにやってみたりした。
各務君が素晴らしい演奏とコーラスを披露し、我々一同大いに感動。
不完全密室殺人、活動休止中ですが全員元気です。

ベース談義

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まがりなりにもバンドでベースギターを弾く人間として、たまにはベースギター奏者らしいエントリーでもしたためてみる事にしよう。

現在、不完全密室殺人とJONNY、dadapandaと3つのバンドでベースギターを弾いているのだが、弦の張力が出力される音にもたらす影響に興味が尽きない。
不完全密室殺人、dadapandaは所謂ノーマルチューニング(4弦からEADG)で演奏しているのだがJONNYは前提として全弦半音下げ、つまり4弦からD♯、G♯、C♯、F♯で演奏されるように作曲されている。この辺りはJONNYというバンドがweezerのコピーバンドから始まったという成り立ちが関係しているようなのだが、幾度となくJONNYでベースを弾いているうちに、平時に出力される音との間に差異がある事に気がついた。

半音下げると音のハリが若干なくなるというか、音の前への出方が変化する。場合によってはノーマルチューニング時より弦がピックアップと呼ばれる弦振動をひろうためのマイクにより近づくため、入力時に歪んでしまう事すらある(如何に普段から歪むギリギリで音を構築しているかがわかる)。
それだけではなく当然右手のタッチ、専門用語で言うのであればテンション感というのか、それが随分と違う。

半音下げるだけでかくも違うものか、と思う。冷静に考えれば当たり前の事なのだが(それはそうだ。鋼鉄の弦を4本張っているわけで一説によるとそれによってベースのネック部分にかかる負荷は80キロに相当するらしい。全弦半音下げるだけでどれだけの負荷からネック材が解放されるのか、推して知るべしである)、実感が伴う良い経験をしていると思う。

一時期はその差異からくる僅かなストレスから、JONNY用にベースを一本用意すべきか思案したのだが「何でもこの一本でやりたい」というサーフグリーンのYAMAHA SBV-550への愛着から結局ベース本体の微調整で対応する事にした。

それにより随分と出力される音に変化がもたらされ、結果ストレスはなくなったので結果オーライだが、実に面白い経験をしたと思う。

楽器演奏者は自らが楽器マニアである事に帰結してはならない。楽器演奏者は自らの楽器を十二分に理解し、楽器の音を行使すべきであると考えるのであるが自分の楽器の面白みというか、楽器というものの繊細さに気付けて良かったと思う。

前髪をバッサリいった。

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「全くノープランでいくもんですから」
神田佑介はそう言うやいなや右手に持った鋏で何のためらいもなく僕の前髪をバッサリ切り落とした。それはもう、相当な量を。
僕は青ざめた。


そして出来上がったのが写真の髪型。ノープランと言った割にはうまくまとめてくれたと思う。最初はあまりに馴染みのない、そう、洒落た雑貨屋にいるチェックのシャツにカーディガンを着込み、黒縁眼鏡をかけた痩せ型の体型をした店員がしていそうなこの髪型に若干の抵抗をおぼえたものだが、まあ、髪型なんてものは自分も周りも要は慣れである。
慣れてしまえばどうって事はないし、慣れは数日で訪れるだろうしどうせ慣れるならば思い切った髪型にした方が面白いだろう。
幸いにもその場にいた人間からは好評だったので、僕は自分の中でそんな論理を組み立ててついにはこの新しい髪型に興味を抱くようにさえなった。素晴らしき哉、ポジティブ・シンキング。理論や論理というのは一見格式張った融通の効かないもののように思えるが、こうして自分にとって都合の良い使い方をすればかくも柔軟なものなのだと知った。

当分、散髪する必要はなさそうだ。

ライブ終了

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サポートギターヴォーカル やなせ健吾君と

不完全密室殺人演奏会、無事終了しました。
事故もなく活動休止、と言うか水面下の活動に移行できて良かったです。

思えば山田、各務と自宅録音をして遊びだし、神田が加入して今の4人が揃って2年半と少し、何度かライブ活動を休止してきましたが今回のように期限付でない活動休止は初めてです。
意欲だけはある4人ですが、結局意欲が全てだと思います。バンドは終わるものではなく終わらせるものである、と誰かが言っていましたが、まだまだやりたい事があるので少しでも早く活動を再開できるように頑張ります。

しばらく不完全密室殺人としての『演奏活動』はありませんが、水面下では我々自身好奇心を刺激される企画が幾つか進行中であります。そちらもいずれ報告できたら。

今日のライブで東京からいらしていた『うるふ』というバンドさんと親しくお話できました。
こういう出会いがあるからバンドはやめられねえ。活動再開の暁にはまた共演したいです。

最後に。
活動休止がバンド内で決まってからサポートギターヴォーカルという普通ならば有り得ない役を快く引き受けてくれたやなせ健吾君に重ねて最大限の謝辞を。この数ヶ月、公演に一度も穴をあけずに完走できたのはひとえにやなせ君のお陰だと思っています。
そして身近なバンドマン、ライブハウススタッフの皆さん、お客様方、気にかけてくれて有難うございました。


というわけで水面下に潜ります。次皆様の前に姿を晒す際はパワーアップしています。
皆様方、今に見ておれでございますよ。

コピーバンドをやるよ。

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ふう、疲れた。僕だってたまには一生懸命ベースの練習をしたりする。

大学時代に所属していたサークルでは、毎年この季節になると(この季節にしたのは僕らが幹部を務めた年以降だ、そういえば)卒業生が主役のライブ、通称『レギュラーライブ』が催される。
卒業する人間もしない人間も、4年間を振り返って悔いのないようにライブをする。所謂現役生活最後のやり納めなので否が応でも気合いが入る。

ライブ毎にお互い誘い合ってバンドを組むシステムを採用していたが故に、その気になれば4年間で相当な人数とバンドを共にできるのだがやはりそうもいかない。大体毎回いつも同じメンバーになったりして、組む機会に恵まれなかった人間が当然いたりするわけで、そんな人と一緒に演奏したり愛着あるメンバーと一緒に演奏する最後の機会だったりする。

僕が現役生だった時は一度やってみたかったハーレムバンドにドラムボーカル、それまで何度もやってきたブランキー・ジェット・シティのコピーバンドをやったり懇意にしていた後輩との最後の思い出を作るためにバンドを組んだり、まあ兎にも角にもやりたい放題だった。

今年もそんな『レギュラーライブ』の季節がやってきたわけで、現役生 各務鉄平君から有り難い事にお呼びがかかった。彼とは不完全密室殺人を共にしているのだが、僕が4年生の時に大学に入学してきたが故に現役時代はあまりバンドをやっていない。スタジオでジャムって遊んだりする事はよくやっていたのだが、考えてみれば1、2回だろう。
そんな各務君も卒業という事で、折角誘って貰ったのだ、頑張ろうと思う。

長い前フリであったが、要するに今夜はそれにまつわる作業を一生懸命やっていたのだ。

【この】不完全密室殺人HP更新できません【タイミングでwww】あと温泉行った。

現在、不完全密室殺人のHPが私達のシステムに起因する不調により、一時的に更新が停止しています。

可及的速やかに更新したいと思っていますが、まだ時間がかかりそうです。

なので近々のライブ告知をばここで。



3/6(金)名古屋 大須ell.size
"ポップンロール七変化"
うるふ/THE WEL-CHAMELEON/ジェッター3/不完全密室殺人

18:30/19:00
\2000/\2500


不完全密室殺人(-1) featuring.やなせ健吾として出演



この日で不完全密室殺人は表立った活動を休止、バンドとしての機能を水面下の活動に限定します。

活動再開の予定が完全に未定で、意外に早いかもしれませんし相応に時間がかかってしまうかもしれません。

しかして我々、一刻も早くより力をつけて復活したいと考えています。

とりあえずは6日、頑張ります!関西ツアーも同行してくれたサポートギターヴォーカルやなせ健吾と不完全密室殺人(-1)の融合をお楽しみに。



さて昨夜は友人達と天然温泉竜泉寺の湯 へ。

続・我が逃走

(画像はオフィシャルより引用)


写真のように夜景が堪能できる露天風呂に独り占め気分でくつろげる壷湯、無我の境地にいける座り湯にその他結構な種類の温泉があり、それらが500円で堪能できてしまうというナンとも豪気な施設でありました。

夜景を見ながら日々の自分や、これからの自分に思いを馳せ「結局どうにでもなるのだなあ」と思い、とりあえずもう少しベースギター演奏の練習をしようと思いました。最近はどうにもインパクト重視のライブをするようになってしまっていかん。


で、その後人生初の岩盤浴へ。
続・我が逃走
この(画像も同じくオフィシャルより引用)


どんなものなのかすら知らずに入浴(?)しに行ったわけなのですが、非常に新鮮でした。

気温があげられた部屋に敷き詰められた石(ゲルマニウムや岩塩がありました)にタオルを敷いて横になる。押井守監督の映画で流れていそうなBGMを聴きながら目を閉じる。うん、確かにリラックス。

せっかちな僕は長居できませんでしたが、本来は汗をかいて体の中の悪いものを出すためのもののようです。


基本的にのぼせ易いので長湯はできない体質なのですが、今回の温泉は非常に楽しくて珍しく長湯していました。また行きたいっすなあ。


宇宙世紀0079

続・我が逃走-CA390400.JPG
サイド3はジオン公国を名乗り、連邦軍に独立戦争を仕掛けてきた…。

今はこんなガチャガチャがあるんだね。凄いね!

大丸ナイトと明け方5時の今池を全力疾走する僕。

夜の街、今池。
様々な人間の欲望と熱情が交錯する今池シティですが、深夜にしか営業していない大丸というラーメン屋がある。 ここに赴くと様々な事件(偶然バンドメンバーと遭遇したり喧嘩の仲裁をするはめになったり)に出くわすのだが、今宵も今宵とて得難い経験をする事と相成った。

後輩家田君と伊藤誠人と篠田家をあとにし、大丸へ向かった我々。店内に入ると得体の知れないオーラを発散する人物に気がついた。その人物は日にやけた顔、ボサボサになった白髪、薄汚れたジャンバーを着、手にはゴム手袋をつけてラーメンを食べている。隣の席が空いていたので家田君と並んで着席。

その老人はせわしなく前後運動しながら反対側の隣席に座った男性にひっきりなしに話し掛けている。時折辺りをキョrキョロわけもなく見回すのだが、それにしても動きが大きい。そんな風にして隣席の男性に話しかけている。

大丸ラーメン、訪れた事のある読者諸兄ならばおわかり頂けると思うが店内はある種の緊張感が漂い、談笑する雰囲気ではない。しかしその老人、常に何か呟いているのだ。隣席の男性の、老人を半ば無視し鬱陶しそうに応対する反応から察するに2人は知人ではない様子。
となると、これは…。

現状を把握したその刹那、あしらうような男性の反応に満足いかなかったのか(それでもそれすらおくびにも出さず喋り続けていたが)老人の好奇心の対象が僕に向いた。言葉が不明瞭で、咄嗟の事に応対できない。
老人はそのまま前後運動とラーメンの咀嚼に戻り、僕は家田君に意識を向けた。
家田君との小声の一言二言に対する老人の反応の早さは、例えて言うならば運動選手のそれであろう。彼は「関西」という単語を耳にするやいなや向かう先のない会話の矛先を僕に戻したのである。


老人「おおさか?おおさかいったんか」
僕 「ええ、行きましたよ」
老人「梅田は?う梅田」
僕 「あー、行きましたね」
老人「ふ風俗がよ、ピンクの看板(以下略)」


僕にラーメンが供されてもなお、老人の勢いは止まない。大橋大将は慣れっこなのかあまりにも挙動不審な老人に対して無視を決め込んでいるし、他のお客さんも静観の様子。相対するは、僕しかいない。
今池生まれ今池育ち。日常的に取り乱した人間、日陰者の多い街アンダーグラウンドシティ今池を愛する人間として、そして何より一表現者としてこれは挑戦だと感じた。
以下、老人と僕の攻防を一部抜粋してお届けしよう。


僕 (ラーメンうめえwwww)
老人「ロックはぁ死んだ!」
僕 「!?…唐突だね」
老人「ロック好きか」
僕 「好きですよ」
老人「BUCK-TICKな、あれはいい」
一同「ブッ!」
僕 「ば、BUCK-TICKっすか?ハイカラだねまた」
家田「ハイカラって」
老人「あとあれだ、BOØWYはいいな。いいでよ」
僕 「また意外な」
以下略


老人「大阪、次いつ行くんだよぉ」
僕 「あー、来月かな」
老人「大阪であいつに会ったら教えてくれよ、アイちゃんとピ、ピンクちゃん!」
僕 「あー、アイちゃんとピンクちゃんね。わかりました。言えばいいのね」(誰だ)
老人「おお、あいつらよう」
僕 「麺のびるんで早く食べた方がいいすよ」
老人「麺が」
僕 (大橋店長の口真似で)『早く店閉めたいです。五時までしかやれんもんで。早く食べて下さい』


老人「俺はあれだ変形ギター持っとる」
僕 「変形ギター」
老人「おお!もう飾りだけどよお」
僕 「こんなん持ってるわけだね」
老人「おお、持っとる!」
僕 「持っとる!!」
老人「持っとる!!!」
家田(もう嫌だこの人達)


若干の混乱にラーメンをじっくり味わうというわけにもいかなかったが、とにかく早く食べて貰ってお店のお客さんを回転させないと、と店員みたいな発想を抱いていた。常連の驕りもそこには勿論あったろうが、何より大丸はそういう愛情を抱かせる店なのである。

僕の丼の中身が残り僅かになった頃、お客さんが。本当に客足の耐えない店だ。

しかして、もう肉がなくてラーメンを作れないと大橋大将が断っている。丁寧だが、屹然とした職人の口調だ。僕はこういう大橋大将のエキセントリックながらも料理人としての誇りが垣間見える瞬間が大好きだ。
ふと見るとお客さんはiGO野田先輩ご一行!何たる偶然。

丼の中を眺めながら思いを馳せる。確かに今日は若干肉が少なかったかもしれないな、と。

そして僕は思い出した。入店時に大橋大将が「肉がないから後で買ってきて欲しい」と言っていた事を。肉は、元より少なかったのだ。肉が無に帰する時、ついにその時が来てしまったのである。
丼をカウンターにあげながら自分の意思を告げる。大橋大将が千円札を4枚渡してくれる。大丸に通い出して相応に時間が経つが、ついにこの時が来た。
『おつかい』の栄誉に預かる人間は数少ない。


走れ!




近場の99円ショップに駆け込み、大丸ラーメンの肉を買いに来た事を店員に告げる。中国語で会話を交わした店員氏達が、30パック分の豚バラ肉を用意してくれた。ビニールに手際良く詰め込まれる豚バラ肉。
恐らくこの店始まって以来、大橋大将は夜の住人達に振舞うため、ラーメン用の肉をここで毎日のように購入していたのだろう。今池ユニー、ダイエー、そして99円ショップ(時折は千種のイオンにも足を伸ばすそうだ)の総力を結集して作り上げられた今池フード。大丸ラーメン。


感慨深いが、今は兎に角




走れ!



大丸に戻ると野田先輩達と来られていたおざき姉さんが一言。
「それ、明日の肉みたいだよ」

…何と!
今日の画像は報酬として頂いた飴一袋。
でもね大橋さん。僕は大橋さんからの「有難うねすまないね」の言葉だけで十分報われました。
また元気にラーメン作って下さい。

自己紹介

Author:舟橋孝裕
愛知県在住、ベースギター奏者です。
・JONNY
・パイプカツトマミヰズ
・犬栓耳畜生
・白線の内側
 やサポートでベースを弾きます。
以下、ライブ予定。


12/28(水) 新栄DAYTRIVE
犬栓耳畜生

2017/1/07(土) 今池HUCKFINN
ONE BY ONE RECORDS レーベル10周年イベント
JONNY

1/08(日) ミソフェス2017(http://www.misofes.com/)
パイプカツトマミヰズ

1/08(日) 新栄DAYTRIVE&TRIM
パイプカツトマミヰズ


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