MAGICAL ADVENTURE TOUR、終了。

4日 今池HUCK FINN、5日 アメリカ村CLAPPERの公演をもって、東京場所 を含む「MAGICAL ADVENTURE TOUR」が終了した。きっと今頃、ONE BY ONE RECORDS所属バンド、関係者各位、そして柴山社長ご自身がある種の感慨と達成感を持って明日からの日々に思いを馳せているんじゃないかと思う。

さて、舟橋孝裕の4日、5日はどうだったのか?

写真もないし、ひたすらに長いし、多分無駄に熱いけど興味のある方は是非読んで頂きたい。



3/4(金) 今池 HUCK FINN

お昼前に起床。正午丁度から246スタジオにてi GOが練習を行っているので見学へ。

東京場所を担当した僕に変わって、i GOのサポートベースはNatural Punch Drunker の村上師匠。師匠はこの日朝早くに神戸を出られ名古屋入り。

ちょっと遅れてスタジオへ行くともう練習が始まっている。前回お会いした時 からそう時間は経っていないはずなのに師匠との再会が妙に嬉しかった。スタジオの隅、出来るだけ皆さんの視界に入らないような場所に座って練習を拝見する。スイッチのフッ飛んだサンズアンプをカマして、前回の時よりシマッた音で演奏される師匠。

僕は若輩だし、勿論生意気にもこんな事を思う事さえおこがましいのだろうけれども、率直に書き記すと、譜面台が置いてある事にまず驚いたし構成を確認しながら練習を進められている様に「今日のライブは一体どうなるんだ」と少しだけ不安になった。だっていくら豊富な実戦経験と場数を踏まれている師匠でも、流石に曲を完全に頭に叩き込まずにステージに立ったらそれはきっと危うい演奏になるんじゃないか。師匠自身はそのお人柄故、ピリピリする事は全くなかったしそれはバンド側もそうだったのだけれども、あの状況下でああしていられたのはきっと十年以上の付き合いがあったからなんじゃあないのかな。「お前そこ油断し過ぎやろー」とか「頼むでー」と言われる茜谷さんを見ていてそう思ったし、それに「あーもう油断して駄目やねん」とか「もう一回やらせてくれや」と応える師匠も高校時代から二人が一緒にいる事を感じさせるには十分過ぎるくらいその雰囲気を作り上げていた。


で、一時帰宅、楽器を携えてHUCK FINN近くの一八屋にて先輩方と串カツとアルコール飲料を嗜む。ふと見ると往来は春を感じさせる日差しに満ち満ちており、店内のTVで流れる韓流ドラマの吹替えも、串カツを揚げる油の音も、そして談笑する先輩方の喋りも、全てが完全に『贅沢』だった。

入り前にはいつも時計と睨めっこしながら、薄暗い部屋で機材をまとめて身支度をして、っていうそんないつもの自分とは違った時間の過ごし方とのギャップ、それに既に楽しくなりながら僕のレーベルツアー 名古屋場所は幕を開けたのだった。


この日はトップバッター。

正直に包み隠さずに書くと気合が空周ってしまった実感がある。酷い演奏をした、とは思わないし、観てくれたお客さんに申し訳ない、というのは仮に、もし仮に万が一演奏家のエゴイズムとして思っていたとしても口にすべきではない、というのを持論として持っているのでそんな事は言わない。けれども毎回「今までで一番良かった!」と皆に言われるようなライブをしたいと思って楽器を握っている僕からすれば、兎角レーベルツアーに於いて過去最高の演奏が出来なかった、というのは感情移入の点でも悔しいのだ。


もっともっとやれるのに、畜生。という思いを飲み込みながらi GOを見、会場入りからリハーサル以降、恐らくはベースを抱き抱えひたすらに音源、そして手製の譜面と向き合っていた師匠の凄味を実感する。そこにはもう昼頃の師匠の姿はなく「ああ、やっぱりステージに立つと変わるものなんだなあ」と痛感させられた。

nothingman明日、照らす の演奏につくづくONE BY ONE RECORDS所属バンドの二極化(レッサーホース野村先生曰く“バラエティ班”と“シリアス班”。成る程!)を再認識する。僕だってシリアスにキメたい時はあるのだよ、実はね。HUCK FINNのはみちゃんに「そんな舟橋君は見たくない」と一蹴されちゃったけど。まあ、そうだろうなあ。


中打ち(そのままライブハウス内で打ち上げる事)を軽くやった後、大丸へ。この日も美味しゅうございました。自分自身の中の不甲斐ない思いにここでスッパリと決別する。この分は必ず大阪で返してやる。今に見ろ、という気持ち。
お客さんで来ていた“最前列の合唱男”ヨシダアツシ君とともに帰宅。三重 から一緒に帰ってきて以来、バンド全体として仲良くなったヨシダ君を
「明日仕事あるの?」
「明日はないなあ」
「じゃあ大阪行こうぜ。どうせ今日はもう終電ないでしょう。家おいでよ。で、そのまま大阪」
「え」
と半ば強引に拉致。


3/5(土) アメリカ村 CLAPPER
目覚ましより早く起床。珍しい。11時半集合なのに10時に起きてしまった。余程気張っていたのかね。
で、ゆっくりお風呂に入ったり風呂上りのヨシダアツシ君に新品のパンツを渡して
「ほら、パンツだよ履きなよ」
「有難うー!」
「履き心地はどうだヨシダ」
「もう最高やんかタカヒロ君」
という茶番を楽しんだりしてゆっくり過ごす。最近農村 の松田君に教えて貰ったスウェーデンのプログレバンド「TRETTIOARIGA KRIGET」のライブ映像をインターネットで視聴する余裕さえあったのだから驚きだ。
気張ってたんだろうな、これは。

で、佐藤さんの体調不良、ガソリンの補給問題、方向音痴諸々で結局遅刻。東京編に続き今回も皆に迷惑かけるのか、とヒヤヒヤしていたけれどもどうにかリハーサル開始予定時間にはセッティング表から諸々、記入が終わった状態で「宜しくお願いします」と頭を下げる事が出来たので本当に良かった。首の皮一枚で繋がった感覚。
遅刻って嫌いだからしたくないし、バンドマンが人として当たり前の事さえ出来なくなったらヤクザ者というか人間としてどうなのか、とも思ってしまうけれども。でも本当に良かった。入りから失敗するとその日一日が台無しになって良い演奏も出来ないんじゃないか、とナーバスになってしまう性質の人間なのでこれにはホッと胸を撫で下ろす。慣れない大阪の道路をトバしてライブハウスに乗り付けてくれた佐藤メンバーに感謝しきり。勿論彼女も遅刻は嫌だからこその急ぎ、だったのだろうけど。

リハーサル後はCLAPPERで働くDICE PROJECT アツシ君と談笑したりエフェクトボードを組んだりする。
アツシ君はね、僕と同い年なのだけれども僕とは全然違った風格のある所謂「スマートな27歳」。顔立ちも爽やかでハンサムだし、多分遺伝子レベルで僕とは色々違うんじゃないかと思うのだけど、凄く優しい良い男なのである。大阪場所、CLAPPERなら絶対彼には会えると思っていた。機材を抱え慌ててCLAPPERへの階段を駆け下りる僕達を優しく迎え入れてくれるアツシ君の姿にホッとした。

リハーサル後はJONNY男性陣+サポートドラマー植田選手+拉致されたヨシダアツシ君とFLAKE RECORDS へ。社長が誘って下さって行く事が出来たんだけれども、実にソソるPOP(試聴機とか盤に貼ってある宣伝カードみたいな奴ね)と、どのディスクを選んでもツボな試聴機のある素敵なお店。僕が相応に現金を持ち歩く男だったらCD買ってたな。宿六故、願いは叶わず。

そんなこんなで本番。
この日は他の3バンド、全部が全部滅茶苦茶良いライブをするのはわかりきっていたし、気合が入るのも当たり前の日。レーベルツアーの意図は色々あれど、この日は最終日という事も手伝ってか僕も随分と対抗意識を燃やしてしまった。前夜抱えた、自分の中での不完全燃焼感もあり、その分まとめて返してやろうと思った。こういう気負いは演奏、音楽、芸術表現に於いては純度を下げるという考え方も出来るしそれを否定するつもりも毛頭ないけれども、等身大の人間として勝負せねばならない夜だった。漢にはやらねばならぬ時があるのだ。
結果、個人的にはここ一番で最も良い演奏が出来たと思う。体はグングン動き、音もついてくる。ドラムのビートが明瞭に聴こえ、打つべき打点が見える、そんな感覚。時折あるのだ、こんな風に自分のスペックを十二分に活かせる、或いは自分のスペック以上の演奏が出来る夜が。
この夜の僕と植田選手というのはここ最近感じていたリズム・セクションの不一致を越えて、えもいえぬ集中力を持って演奏する事が出来た。植田選手って元々演奏にはストイックなのだけれども、そんな彼が「集中しました」と言うという事はやはり彼も相応の覚悟を持ってツアーファイナルに挑んだと、そういう風に僕は解釈している。

前夜、大丸前でnothingman オオタさんやi GO 吹原君と「明日はツアーファイナルですし社長を泣かせるようなMCをしますよ!」と話していた。僕だってたまには誠実に、真面目に話したっていいじゃあないかと思ったのだ。
その会話以来、僕は頭の中で何を話すか考えた。諸々考えた結果、社長との思い出について触れる部分は何も考えず、もうその時の気分のままに話そうとそう思った。そういう人と人との関係を人に説明する際に、予め色々と準備して綺麗に整えて話すのは僕らしくないんじゃないか、そう思った。

結果、あの場では若干冗談っぽい口調になってしまったけれども僕らなりの誠意を示せたのではないかと思っている。

結局社長がそれでどう感じられたか、未だにゆっくりお話出来ていないのだけれども、ミイラ捕りがミイラじゃないが僕がひどく感情的になってしまい、その後は無駄に熱くなってしまった事を正直に告白しておく。

この日はどのバンドも何かこう、背負っているものというか気迫というか、そういうものが見え隠れする演奏をしていた。やはりどのバンドもそれぞれ思うところがあったのだろう。本当に、格好良いバンドが、人間が集まったものだ。こういう時にキメにくるバンドと同じレーベルに所属していると、こちらまで気負う。やらねばならんなあ、邁進せねばなあ、そんな風に思う。

東京、名古屋、大阪と文字通り「東名阪」の順番でツアーを行ったわけなんだけれども、どの会場でも想像以上の人数のお客様が集まって音楽を楽しんでおられた。懐かしい友人との再会や「今日良かった!」と声をかけて頂いたりしたのは勿論嬉しかった。全日程来られた方もいらっしゃったし、「社長ー!」とか「柴山さーん!」と物販に駆け寄る姿、出演者と目をキラキラさせながら話す姿や、演奏を実に暖かい目で見守る姿等、多くのお客さんの姿を目に出来た。ツアーパンフレットにサインをしたのも一度ではなかったように思う(僕以外のサインも既に入っており、それらが悉く格好良いサインであったのには愕然とした。僕だけ子供の落書きみたいなのを書いてしまって情けない。)。あの方々にJONNYの音楽がどう訴えかけたのかは想像も出来ないけれども、少なくとも僕はあの色々な光景を忘れてはいけない、とそう感じた。

打ち上げはちょっと移動して餃子の王将へ。こんな辺りもこのレーベルらしい。洒落た居酒屋に行くでもなく、宴会会場が抑えてあるでもなく、皆で車に乗って餃子の王将。悪くない。
4.5人前のビックリ炒飯やら餃子10人前やらこってりラーメンをnothingman先輩や伊藤専務、今日も最前列でエモーショナルになっていたヨシダアツシ君らと堪能。nothingman宮下先輩って、ステージ上ではドがつくほど誠実でシリアスで僕みたいな俗っぽくある事を生業とする人間からするとちょっと近寄りがたいのだけれども、喋ってみると全然普通。前から少しずつ少しずつ距離を縮めようとしていたのだが、実はツアー3箇所周って東京場所、そして大阪場所と本番前の僕の恒例行事『誰かにキンタマを握ってもらう』を担当して下さった「誰か」は宮下先輩でした。
「何で誰も見てないのにフナハシのキンタマ握らなきゃならないんだよ」と言いながら何だかんだで気合を注入して下さった宮下先輩、有難うございます。これ書いてnothingman的にまずかったなら消しますから「消せ」と一言コメント下さい。でも本当に嬉しかったんですよ僕はね。
nothingmanだけじゃなくて、今回のツアーでバンド間の距離が縮まったようで嬉しい。名古屋場所ではHUCK FINNの控え室で終演後に明日、照らす 伴さんと僅かな時間ながら初めて二人きりで喋ったし、うん、僕はレーベル内の人間関係も相当楽しんだんじゃないかしら。

そして「侍」、ハヌマーン 山田亮一君、遠路はるばる自転車で餃子の王将まで駆けつけてくれた。

「悪い、遅れた、すまない」。相変わらず侍口調。この男、根っからのバンドマンであり芸術家でありギターヴォーカルであり侍であり、そして酩酊すると楽しくなってしまう人である。

「恐悦至極ですがオオタさん」とnothingman オオタさんへ話しかける亮ちゃん。
「貴方の印象を私、一言で語りますならばそうですね・・・・・カントリーマアム!」
ああ、穏やかで安心するからね。って何故お菓子なのか。
大量の中華料理を胃袋に叩き込み、餃子の王将で解散。

僕の悪い癖が出ちまって、名残惜しいなら連れて帰っちゃえ、と亮ちゃんを名古屋まで拉致してしまった。
一応「明日大丈夫?」って訊いたのだけど「今日は明日じゃないから」とバッサリ。全くかなわないなあ。
でも侍が名古屋に来てくれたお陰で佐藤さんも終始楽しそうだったし(別に普段楽しくなさそうにしているわけじゃあないのだけど、あの人も人情家というか素直だから気に入っている人と一緒にいると声色が幾分かソフトになる)、名古屋についてからJONNYチームで軽く打ちあがれたし良かった良かった。
侍は朝9時に舟橋宅を出発、大阪へ帰っていきました。名古屋に飲みに来ただけになってしまった。すまない友よ。


それにしても、終わってしまったんだなあ。
社長、俺もう皆でどっか行きたいっすわ。本当に楽しかったしバンド的にも多くの収穫があったんじゃないか、そう思っています。そしてそれを顕在化させていく事に僕達、心を砕きたいと思います。多分というか絶対レーベル内で一番社長に迷惑をかけているバンドですけれども、どうにかしたい、何がしかを表明したいという気迫は他のバンドにも負けないくらい持っているつもりです。今後とも宜しくお願いします。

そしてツアーに関わって、協力して下さった多くの方々、ご来場頂いたお客様、各都市各公演で駆けつけてくれたライブハウス関係者、イベンターの皆様、親愛なるバンドマン諸兄。サポートで演奏された演奏者の皆様方。高円寺LINERに今池HUCK FINN、アメリカ村CLAPPER。そしてi GOにnothingmanに明日、照らす。
本当に有難うございました。
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コメント

1. 常夏のマリファナボーイ。

三重の一件では触れられてなかったけど、ここにきて自分の名前が登場しててびっくりしたわー。.:*・゜(n'∀')η゜・*:. 
たかひろくん、記念カキコやでー。

2. Re:常夏のマリファナボーイ。

>ヨヌダさん
そろそろアッ君についても堂々と書いていい頃合だよ。
何なら特集エントリーを書いたっていいくらいだ!
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自己紹介

舟橋孝裕

Author:舟橋孝裕
愛知県在住、ベースギター奏者です。
・JONNY
・パイプカツトマミヰズ
・犬栓耳畜生
・白線の内側
 やサポートでベースを弾きます。

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