ベースギターを弾く上での思索

20:00、仕事を終えてロッカールームにて急いで着替える。
20:05、職場を飛び出して自宅へ。
20:10、自宅到着。楽器を担いですぐさま自転車に跨る。
20:13、池下CLUB UPSET到着。

つくづく、実家が良い場所にあって良かった、と思う瞬間である。
もう楽屋を経由するよりも早い、と5階のUPSET入口から直接ステージ脇に向かおうと入っていく。

「お疲れ様です、今どんな感じですか?」
受付にいらしたスタッフの方に訊くと
「2バンド目の皆さんが演奏終わって、これから転換ですね」
「有難うございます」

数秒後、今まさに自分達の転換が始まったのだと気付いた。
ギリギリでMoNoSiRoのサポートに間に合ったってわけ。演奏にも弾みがつくってもんだ。
金森君のギターの弦が切れるというトラブルに見舞われるも、個人的にMoNoSiRoに於いて弾きたいベースは弾けて満足して演奏終了。
「舟橋君はどんなバンドでもそのバンド毎にやるべき事をふまえてちゃんと自分の居場所を作って味を出すから良いね」という言葉を頂いて、日夜多くのバンドをご覧になっている方から自分がやりたいと思っている事をきちんと評価して頂けて物凄く嬉しかった。
思索は過去に遡る。

まだ演奏する人間としてアイデンティティがなかった頃の話(この演奏に於けるアイデンティティってある瞬間には物凄くつまらないものだけど別のある瞬間には物凄く自分を加速させる、ちょっと特殊なものだ)、僕はただただしゃにむに演奏していた。
今と違って演奏に於ける心構えなんてただ一つで、兎に角誰と演奏しようと常に自意識過剰、自分の色がないがあまりに自分の色だと思い込んだものを疑いもせずにぶつけていた。あれはあれでパワーがあって良かったけれども、そういうのを重ねるうちに少しずつだけれどもバンドマンっていうのは突き詰めると結局何をしようがそのバンドマン自身でしか在れないと思うようになった。
では真摯にそのバンドの演奏に向き合うのが一番美しい、ライブだろうがレコーディングだろうが少なくとも作品として美しいはずだ、と思い改め、変に力む事もなくなった。ステージから客席に飛び込んでベースをぶん回す事も無理にしなくなったし、過剰な自己主張もなくなったと思う。未だに僕にとってベースギターの音っていうのは一種類だけれども、その一種類の音にしても幅を広げる事を考えるようになったというか。
自分を大きく見せる事もしなくなって、やっと僕はそれなりの演奏家になれたんじゃないかと思っている。

これはつまり、多くのバンドで演奏し、多くの人の中で演奏を続ける事で自分のアイデンティティは出来上がったという事だ。
一つの道を突き進んで自分自身を「こうである」と発見するのも方法ならば、これもまた僕にあった方法だったのだろうと思っている。
今は兎に角驕らずに、もっと良い作品を作れるようにもっともっと純度の高い演奏を出来るように心掛けるばかりだ。
何にでも馴染む音、っていうのは一つのポピュラリティーだと思うけれども何にでも馴染む在り方を探求していきたい。
バランス感覚、だ。
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自己紹介

舟橋孝裕

Author:舟橋孝裕
愛知県在住、ベースギター奏者です。
・JONNY
・パイプカツトマミヰズ
・犬栓耳畜生
・白線の内側
 やサポートでベースを弾きます。

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