「うつくしさとガチャガチャvol.4」の話。

先日、名古屋駅裏にあるナンジャーレという小劇場で行われた「うつくしさとガチャガチャ」というイベントにin the poolちゃんで出演してきた。
ナンジャーレ、今まで何度も足を運んできたのに(最初に行ったのは確かゲボゲボと孤独部の連続6ヶ月公演だったと思う。しかも深夜にやった回だ)一度も出演した事がないのがそりゃあ演劇に片足くらいは突っ込んでいるだろうけれども僕の活動の大半が音楽に関わる事であるからで、ナンジャーレが小劇場だからだろう。でもやはり、何だか妙に嬉しいものである。
複合型イベントを目指して過去に3回行ってきた「うつくしさとガチャガチャ」は右角81(ゲボゲボ)こと小池君と怪奇紙芝居に演劇にと多方面で活動(実はギターと歌が巧いのを舟橋走っている)赤井さんが一緒に重ねてきた活動で、今回で一区切りという事。
二人の友人としてもそういう回に出演出来たというのは嬉しいものがありますね。

今回『大人の自由研究バンド』in the poolちゃんはstudio penne君の提案で『特撮』に挑む事になった。挑む、と書いたけれども実質挑んだのはstudio penne君一人である。
そう、今回ほとんどが(数字で言うと8割は)彼に任せっきりになってしまった。僕がやった事と言えば彼から送られてきた「こういう感じのシーンが続きますよ」って映像を観て思いついた脚本を書いたくらいだ。所要時間30分。
一方吉村さんは仕事が多忙を極め、当日の参加さえも危ぶまれた。結果的に彼女は本番で実力を発揮するタイプ、カメラワークが天才的だった。やっぱりあの人凄えわ。
一方、僕らは無計画と言えば無計画であった。「どうにかなるなる!」でならなかった場合を想定しつつ、それはそれで楽しそうだからマァいいか、と放っておくタイプの人間が二人くらいは、いるものこのバンド。どういう事かと言うと、前日練習したのになんだかんだで当日、人手が足りなくなった。というか3人が楽しく演るためにはもうちょっと余裕が欲しくなった。
というわけで当日、舞台監督として現場入りしていたぱーしぃ君(廃墟文藝部)が電撃加入。何をやるか一切聞かされないままステージに招き入れられたぱーしぃ君、物凄く良い働きをしてくれた。有難う、ぱーしぃ君。
彼は、僕らの出番が終わった瞬間に脱退した。たった25分だったけど、一緒にバンドをやれて楽しかった。

さて、シーンだのカメラワークだの一体何をやったのか、と思われると思う。
順番がおかしくなるけれどもここにまとめておくと、要するに「ステージ上に置いたジオラマにリモコン操作出来るロボットを置き、その前に水槽を置いたり人形を置いたり影絵状態にしてそれを撮影、そのままプロジェクターでステージ後方のスクリーンに投影。シーン毎の切り替えやギミックの設置は全てオンタイムで"作っている様子"もきっちりお見せしつつ、studio penne君が音楽を奏で、舟橋がリーディングをしたりする事でスクリーン上では短編映画のようなものが出来上がる」という事をやってみた。
お客さんはアンビエントな音楽が流れる舞台上で「あーでもないこーでもない」と人形やジオラマを動かしたりそれを一心不乱に撮影する光景と、そのカメラを通すとどのようにジオラマ上の物体が映っているのかを同時に観る事になる。
最初studio penne君から「特撮やりたいです」と言われた時はどうなるのか想像もつかなかったけれども、結果的に今回の『大人の自由研究』は過去3回の中で一番手応えがあったし、お客さんからも評判が良かった。
暗転してる中、水槽の中に絵具を垂らしてそれをペンライトで照らしているのをカメラで撮影すると、これが本当に綺麗なんだよなあ。studio penne君の音楽も非常に良かった。あの人の作るトラックってやっぱり素敵だね。
「綺麗だった」とか「面白かった」という感想は勿論「仕事の疲れがとれました」という感想まで頂いたりして、物凄く嬉しかった。今までin the poolちゃんってわりかし手触り主義というか、何をやっても手触りは良いんだけど実体が掴めないというか掴みどころがないというか、良く言えばフワフワしていたし悪く言えばわかりづらい事をやっていた感があったから、今回のバランス感覚っていうのは3人で以前話した「わかりやすい事をやりたい」という嗜好と、この3人だからこそという実験精神の丁度良い中間地点に着地したのではないだろうか、とそんな事を思ったりもする。
studio penne君がコードと歌詞を書いて3人でアレンジをして、それをライブで3人でガンガンやる。音楽に思いっきり寄せた表現をするならそういう感覚であり、それがin the poolちゃんのクリエイティビティとして良い事なのか悪い事なのか今現在はまだわからないけれども、今回の一本筋が通った『自由研究』はそういう作り方があったからこそ、成立した部分は少なくはないと思うのだ。
そしてしまった、写真が一切、ない。

ひのみもく(少年王者舘)さんのところで僕はベースギターを弾いた。
ステージ後方、幕の後ろ、機材や脚立が置いてある一切ステージが見えない場所で。
最初にひのみもくさんから「舟君(彼女は唯一僕をそう呼ぶ人間である)ベースを弾いて貰えないだろうか」と話を貰った時は考えもしなかったけれども、ナンジャーレで客席から完全に姿を隠せる場所となると随分と限定されてくる。
はじめは通路側で、という話もあったのだけどケーブルの取り回しの事等考えているとふと思いついた。「この幕の中でいいじゃん」と。ひのみもくさんに相談したところ「それいいね!」となり、こうして僕も初めての経験である『舞台上で演者が何をやっているのか全く見えないわからないまま、その演奏に音楽を添える』というお手伝い演奏が実現したのである。
面白がってくれる人で良かった、ひのみもくさん。

2015_03_26_01
幕の後ろ、舟橋スペース。楽器好きだからこういうのはきっちり写真撮ってるんだよなあ。
Danelectroのロングホーンベースに専らBOSSのメタルゾーンをカマシっぱなしにしてそれをstudio penne君に借りたギターアンプに突っ込んでワウを踏んだり掻き毟ったりチョーキングしたり、とノイズ要素強めの即興演奏。
ほぼほぼ真っ暗の幕の裏(それでも舞台上)、僕は大いに興奮してベースギターをかき鳴らした。
面白い経験を、した。

出番と準備の関係でゆっくり観れなかった宮田大樹さんもガッツリ歌ってらっしゃったし、主催の二人が所属する『女子じゃねえ』といい、「うつくしさとガチャガチャvol.4」は随分と音楽要素が強め。
そう、女子じゃねえ!
あの3人なんなの、今までの演奏って何だかんだで全部観てると思うのだけど、観る度によくなってるって事が単純に尊いし(やればやるだけよくなるって、なかなかそうもいかないもんなんですよ)、縦笛にピーピーいううつぼ、コキリコとあとよくわからない楽器で織りなされる楽器陣営のアンサンブルは役割分担が(恐らくは自然と)明確になった分それぞれの領域でフリーキーだったり堅実だったり、実に豊潤で高水準な音楽性を感じるし、ボーカルの小池君はわりかしラップというかフリースタイル(なのか?)強めだった過去の演奏と比べて随分とメロディに踏み込んで「まだ振り幅広がるの」って感じだし、メランコリックな部分も垣間見えちゃったりで格好良かったりするし、物凄く面白いんだけど!
今回の女子じゃねえは、「下手な人達が同じ事やろうとしても形として成立しない事」をギリギリのバランス感でやってみるみたいなところから始めて、その次に安定感を得たバンドが更に懐の広さを見せつけてきたっていう演奏だった。

打ち上げも軽く参加して、終電で無事に帰宅したら物凄く眠かった。
そうだよな、早起きしたもんなってところでこの楽しい一日も終わり。アウトプットしまくった一日でした。
有難う、小池君に赤井さん。
スポンサーサイト

コメント

非公開コメント

自己紹介

舟橋孝裕

Author:舟橋孝裕
愛知県在住、ベースギター奏者です。
・JONNY
・パイプカツトマミヰズ
・犬栓耳畜生
・白線の内側
 やサポートでベースを弾きます。

お問い合わせ

お問い合わせ、出演オファー、サポート依頼等はこちらからどうぞ

名前:
メール:
件名:
本文:

月別アーカイブ

検索フォーム