JIM DUNLOP CRYBABY 105QとIbanez WD7を比べてみた話

エレクトリック・ベースギター奏者全人口の何割がその演奏中にワウを使うのか、そしてその中の何割がペダルワウ派で何割がオートワウ派なのか(或いはどちらも併用するのか)、正確な割合だなんて日々変動するだろうし誰にも知り得ないのだろうけれども、もし自分がそういった選別のための質問を投げかけられたとするのであれば恐らく僕は「そうですね、用途にもよりますけれども今日現在までどちらの使用頻度が高いのかという話ならばペダルワウの方が圧倒的に高いでしょうね」と答えるだろう。
オートワウにも道具としての愛着がないわけではないのだが(しかも僕の機材棚には贅沢な事にムーグ博士の発明品であるそれが鎮座しているのである!)、それでも今まで演奏中でよく使用してきたのはペダルワウであり、それは何故かというと僕が『ワウワウ言わせたいタイプ』なのではなく『ギュィュワァァァァァァッ!といきたいタイプ』であるからに他ならない。

僕とワウペダルの出会いは僕がエフェクターという存在に興味を持った最初期に遡る。
BOSS DS-2をベースギターに、しかもホロウボディのベースギターに接続しグッシャグシャに歪ませて弾いて(当然低域は損なわれていたし、すぐにハウリングを起こした。しかし僕はその時に"とことん過激に歪ませ、かつハウリングを拒否するのであればエフェクターをオンにしている間は兎に角弾き続けるべし"という処世術を身につけたのであった。今もそういう時って、結構あるよ)いた僕はもっと過激な音に興味が湧き「他に面白い道具はないか」と楽器屋にてショーウィンドーの中を覗き込んでいた。
そこで目に飛び込んできたのがJIM DUNLOPの「白いクライベイビー」、CRYBABY 105Qだった。
音出しを初めてすぐに「これは感性と直結して音を出せる道具だ」と気付いた。衝動をそのまま音にして演奏するというのは当時の僕が目指している事でもあった。
そのずっと後の事である。KING CRINSONのジョン・ウェットン御大のJEN ダブルサウンドから出力されるワウファズ、あの美しくも過激なサウンドに興奮した僕はファズをかけたベースギターをワウペダルに突っ込んで思いっきり「ギュィュワァァァァァァァッ!」とやるようになるのである。
その時から僕にとってペダルワウというのは『フレーズを彩ったり、カッティングに色気を出したり、ワウワウいわせるファンキーな道具』ではなく『直情的に踏み込んだりゆっくり踏み込んだりして空間を捻じ曲げるような音を出したり切り裂くような音を出したりする攻撃的な道具』という認識である。

何故今回このような思い出話を記したのかといえば、僕自身がワウペダルに求めるもの、その最終結論が上記の『直情的に(中略)道具』であるからであり、「クワウッ!」みたいな音とかはどちらかというとどうでも良いからである。いや、使う。そういう風にも勿論使うのだけれども。そういう使い方の何倍も、ゆっくり踏み込む事でゆっくりフィルターを開いていくような使い方や一気に踏み込んで高域を強調して「ギュインッ!」といわすような使い方をしてきたのだという事である。
そこを踏まえて本日は二つのペダルワウの比較であります。

2015_08_24_pedalwah.jpg
左、JIM DUNLOP CRYBABY 105Q
右、Ibanez WD7 WEEPING DEMON

何となく痒いところに手が届く調節具合をワウペダルに求めて、買っちゃいましたIbanez WEEPING DEMON。賛否両論分かれるこのネーミングとルックス(というかペダル部分の悪魔の絵、だな多分な、皆気にしてるのな)、だけども音と機能は高評価、身近なベーシスト諸兄の間でもこのペダルにそれまで使ってたワウペダルから乗り換えた方が相応に見受けられた一品。
いや、実際本当に「調節出来ないところ、あるの?」ってレベルで調節出来ちゃう、WD7。
音量とピークの周波数は勿論、ローパスフィルターと全体のレンジ(NORMALとLOW。ベーシストにはLOWが向いてる、のかな)、更には何と「踏み込んだらオン」モードと「スイッチ踏んでオン」モードの切り替えからペダルの返り具合の強さ、オフにしてからどれくらいでバイパス音に戻るまでのタイムラグまで、よくぞまあここまで触れるようにしたねっていうのが正直なところ。これもう本当にこれ以上弄るところないでしょう。ツマミもIbanez特有のあの「押し込めちゃう」タイプでユーザー目線に立ってるし「踏み込んだらオン」と「スイッチ踏んでオン」モードの切り替え(ゴツいレバーでガッチャンって切り替えるんだけどどういう仕組みなんだろ、これ)はワウペダルの様々な使われ方をちゃんと想定してると思う。オン/オフのスイッチがペダル部分と独立してるから半止めとかも楽々だよね。

一方前述したように相当昔から持っていた(見た目もボロボロだわ...)白いクライベイビーはワウとして必要最低限のコントロールであるオン時の音量とピークの調節のみ搭載。あ、ちなみにこっちは「踏み込んだらオン」タイプね。
ペダルは勝手に戻ってくるので操作は楽チンなんだけど音がバイパス音に戻るまでに微妙なラグがあるのね。で、これが調節出来ない。というか調節出来るWD7が凄いって話なんだけど。
あ、ちなみにペダルの可動幅でいったら体感上はそんなに差がないです。

で、あーだこーだ触ったり踏んだりしてみて思ったのが、やっぱり僕の好みにはクライベイビーの方があってるな、と。
決め手になったのは音で、ピークをどちらもわかりやすくフルアップした上でペダルをガッツリ奥まで踏み込んだ際に、単純にクライベイビーの方が好みの音がするのね。擬音で書くならクライベイビー=ギュオオオオオオッ! WD7=ブオオオオオオッ!みたいな、ヂンヂンッ!とギンギンッ!の違いというか。
いってしまえば微妙な差なのかもしれないしワウペダルってピークの音の好みで決めるものかと言われたら一概にそうは言えないのだろうけれども。クライベイビーの方が凶悪な音がした。
ピーク、レベルどちらもフルアップした上で比較するとこれまたクライベイビーの方が派手な印象がある。
もう僕にはこれだけでクライベイビーに決めるだけの価値が感じられてしまう。僕にとってワウペダルって過激で、下品で、わかりやすくてナンボのものだから。
あー、ちなみに、アンサンブルの中での調節の幅を求めるならばWD7のが圧倒的に便利だろうな、というのも同時に思った。そりゃあこれだけコントロール出来るんだもの、細かくこうしたいああしたいというのがあるのであればWD7は便利なペダルワウだろうと思う。

ちなみに重さはクライベイビーの方がちょっと重いかな?って感じでデカさでいったらWD7のが圧倒的に大きい。
今時の小さいワウペダルってどうなんだろうな。ちょっと気になりますね。
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自己紹介

舟橋孝裕

Author:舟橋孝裕
愛知県在住、ベースギター奏者です。
・JONNY
・パイプカツトマミヰズ
・犬栓耳畜生
・白線の内側
 やサポートでベースを弾きます。

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