年に一度の犬丸ラーメンの日

毎年12月になると年末ムードの慌ただしさと一緒に「あの日」がやって来る。
もう3年になるのか、随分と長く感じるものだ。今から3年前の2012年12月3日(厳密には不明だがこの日が最後と言われている)、50年以上の歴史を誇った大丸ラーメンが閉店した。
環状線、今池の大通りですな、今でこそ大きなスーパーやパチンコ屋さんが並ぶあそこがまだ砂利道だった頃から、ずっとずっと続いてきた大丸ラーメンは多くのファンに惜しまれながらその歴史に幕を閉じた。
好物は何かと問われると母親の手料理を除いて間違いなく堂々の一位に輝くであろう(思い入れや思い出も含めて、である。勿論味も大好きだけれど。こういう人って多いと思うのだけど、あそこには思い入れがあり過ぎる)大丸ラーメン。
そんな大丸ラーメンのコピーバンド「犬丸ラーメン」が今池HUCK FINNで年に一度の「犬丸ラーメン提供」を行う日が今年もやって来たのである。
あ、今年は例年よりも一日早く12月2日にやりました。

毎回のように思う事がある。「もっと麺を仕入れておけば良かった」。
犬丸ラーメンで使用する麺は本家大丸ラーメンと同じ製麺所製、特注麺を使用している。あの麺でないとあの味にならない。
そりゃあ大丸ラーメンでは丼の中身が焼きそばの麺だったりする時も美味しかったよ?
ご一緒したタクシーの運ちゃんはいきなり日本蕎麦で「これなら翌日胃にもたれないんだよ」と言っていたくらいだったし、大丸での流儀には人それぞれあるはずである。
しかし大多数の方が思い出すあの味はあの麺でないと出ない、とコピーバンドである我々は思っている。焼きそば麺が登場してくるのは開店から一定時間経過し、夜が更けた頃合いからだし麺を啜った瞬間の風味っていうのは記憶を辿る要素としては馬鹿にならない影響力を持っているのだ。
なので並んで並んで待って頂いた方が焼きそばの麺で文句を仰らないのは有難いし、きっと「そういうものだ」とそこも楽しんで頂けているのだろうと思う。だけどもやっぱり「あの味」に限りなく近い(同じ、だとは言わないし勿論言えない。本家大丸ラーメンにあって我々にないのは鍋の底にも積み重ねられた歴史、だ)状態で食べて頂きたいなという思いはあるので今回僕達、大いに奮発しちゃいました!
ドドンと過去最高の量を発注、有難い事に最後のお一人に至るまで無事に特注麺でラーメンを提供しきる事が出来た。嬉しい。本当に嬉しかった。

調理担当の石黒君(ここまで書いておいてナンであるが僕は一切調理に参加しない。麺の発注だけ、である)は僕よりも今回こだわっていた。丼を探し、仕入れ、今まで仕入れる事が出来ていなかったオマケの「トーマス」のチューイングキャンディーを遂に仕入れる事に成功し、抜かりなくブラックサンダーまで用意していた。石黒君の気合いというのは相当なもので、犬丸ラーメンの丼一杯分の中華そば(550円)は彼の尽力の一杯に他ならない。僕がやっているのはそうだな、それがあった上でのちょっとした賑やかしのようなものだと思っている。

今回は約5時間、都合130食近くご提供しただろうか。
毎度の事ながら根気良く並んで頂ける皆様に感謝、である。今年も多くの感動があった。
快く買い物を引き受けて下さったお兄さん、大丸での思い出を楽しそうに話すバンドマンの皆さん、交際相手だろうか、可憐なお嬢さんを見守るように寄り添って食べる若者、そして明らかに僕よりも大丸に通ってらした歴が長いであろう先輩方。
大丸に行った時と同じように泥酔している方もみえたし、僕の中では大丸ゴッドの内藤さん(SOCIAL PORKS)は大丸印入りの丼持参、であった。
書ききれないけれど皆様、本当に有難うございました。毎年のように思うけれども皆さんの大丸での思い出、どのように店内でふるまっていたか大橋大将とどんな会話をされていたのか、どうやってラーメンを食べていたのか等を見せて頂いて一番楽しんでいるのは間違いなく僕です。あの時間があるから大丸への喪失感と折り合いを付けられているのだと、そう思います。

あー楽しかった!!


個人的には過去最高に「大丸」を思い出した今年の犬丸ラーメン。
「ちょっと味薄いなあ」とか「今日美味い日だ」とか食べてらっしゃる皆さんが口にした瞬間に大丸ラーメンを思い出してらっしゃるのを耳にしながら、内心嬉しくてたまりませんでした。
皆さんが大丸ラーメンを思い出す、その僅かなきっかけにでもなれたのなら僕達幸いです。
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自己紹介

舟橋孝裕

Author:舟橋孝裕
愛知県在住、ベースギター奏者です。
・JONNY
・パイプカツトマミヰズ
・犬栓耳畜生
・白線の内側
 やサポートでベースを弾きます。

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