文化祭と男子高校生との出会い。


続・我が逃走-CA390632001.JPG
全国優勝を見事に果たした母校の硬式野球部。
今日も練習していた。


秋が訪れ、少し気が早いような気がしないでもないが若干肌寒くなってきた。

この季節はバイト先に文化祭や学園祭の音響や機材レンタルの依頼がよくあり、今日僕は毎年恒例の母校の文化祭の音響現場へと行ってきた。


流石に母校だけあって顔見知りの先生方が沢山いらっしゃる。

「卒業してどれくらいだ?」

「7年程になりますかね」

「君は変わらんなあ」

どうやら見た目は変わっていないようで一安心。流石に20代も半ばになると高校生とは軽いカルチャーショックを感じるので。いつまでも若い気でいるわけではないが、変わっていないというのは嬉しい言葉だ。

先生方もお変わりなく、懐かしい気分に浸ってしまった。


さて僕の仕事は体育館ステージの音響だ。ダンス部やチア部、クラス企画等ほとんどが体育館ステージで行われる。僕が在校していた頃からこの体育館企画ステージは今のアルバイト先が音響として出入りしていて、当時高校生だった僕は「凄い機械だなあ」等と思ったものである。よもや自分が出入りする側にまわろう等とは当時の僕には思いもよらなかった。

当然バンド研究会、これは所謂軽音部なのだが、彼らもステージで演奏する。毎年文化祭シーズンになると制服を着て楽器を担いだ母校の在校生がアルバイト先の練習スタジオに訪れ、文化祭へ向けて鍛錬を重ねている。

当然彼らも気合が入っているようで、OBとしても音響としても、彼らが満足いくような演奏が出来るよう願ってやまない。

今日は搬入、準備日という事で彼らもリハーサルを行ったのだが、2年生だろうか、リハーサル終了後にナーバスになっている男子生徒が一人いた。

彼はベースギター奏者でmoonのジャズベースモデルを携えており「最近の高校生はこんなに良い楽器を持っているのか」と驚かされたものだが、どうやらベースアンプから出力される自分の音に違和感があるようだ。

自分の音が聴こえず、音量を上げようとするとアンプが限界に至り歪んでしまう。

リハーサルはバンド数も多いので慌ただしく行われるのだが、目の前で演奏するバンドのオペレートをしながらも彼の様子が気にはなっていた。

全バンドのリハーサルが終わると彼が声をかけてきた。やはりベースアンプから出力される音にストレスを感じるらしい。


どのような音作りを行っているか一緒にステージに上がって確認したところ、GAINがかなりあげられており低域をブースト、高域をカットしているようであった。

「なるほど、こういう音で弾いていたんだね」

「はい。ハイポジションで弾く箇所があるんですが、そこもしっかりと低音を出したいのです」

僕と彼はベースの音作りについて若干の会話を重ね、彼の音作りに検討を重ねた。

個人的な所見、一般論と言い換えてもいいのかもしれないが、ベースアンプで低域を強調し過ぎると『体感』出来るローは出力されるもののそのほとんどが耳には届かない。やはり耳に届く音作りには中域と程よい高域が必要なのだ、と思う。

そんな話をしていると背後に気配。振り返ると彼の同輩だろうか、YAMAHAのアクティブベースを使っていた男子生徒が興味深そうに僕達を見守っている。察するに、彼も初めて触るベースアンプヘッドに苦戦したのだろう。短いリハーサルの時間中に、自分の納得いく音作りが出来なかったのだ。


経験と知識不足、と断じるには早計だ。彼らは短い時間で自分の持ち得る技術と知識を総動員して事にあたったのである。ベースだからふんだんに低域を、と彼が考えたのは僕にも思い当たる節があった。

初めてライブハウスに出演した際、GAINを相当にあげ、低域を強調し過ぎて自分が何を弾いているかわからなくなった経験は僕にもある。懐かしい思いと同時に、彼らに対して誠実に向き合った際、何が出来るかを考えた。


明日、僕は彼らともう一度ベースアンプを触ってみようと思う。


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コメント

1. 無題

泣ける展開の予感

2. それがね

あながちそうでもなく、普通だったのがナンだかなあ。
僕個人は大満足の成果を収めましたがw
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自己紹介

舟橋孝裕

Author:舟橋孝裕
愛知県在住、ベースギター奏者です。
・JONNY
・パイプカツトマミヰズ
・犬栓耳畜生
・白線の内側
 やサポートでベースを弾きます。

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